兵庫県は8日、総額4兆3018億円にのぼる2024年度の当初予算案を発表しました。総額は、2年続けて前の年度を上回りました。
基本的な経費の規模を示す「一般会計」は2兆3390億円で、新型コロナに関連する国からの交付金などが大きく減り、3年続けて減少しました。県税による収入は、企業の業績が堅調なことに後押しされ、過去最高を更新しました。
斎藤元彦知事は同日会見し、予算案を「若者・Z世代応援予算」だと説明しました。
若者への支援にはあわせて91億円を投じ、県内に住む人は所得にかかわらず県立大の入学金や授業料を段階的に無償化したり、高校生の海外留学に補助金を出したりします。また、不登校の児童をサポートする「支援員」を小・中学校に配置し、多様な学びを後押しします。
奨学金を借りている人向けには、支援の対象をこれまでの30歳未満から40歳未満に引き上げるほか、補助期間をいまの5年から大幅に延ばし、最長17年とします。
都道府県としては初めて、家賃3か月分の敷金を免除するなど、県営住宅に入りやすくしたり、不妊治療にかかる費用を補助したりして、結婚や出産へのハードルを下げます。
斎藤知事は、「若い世代が経済的に苦しんでいる中、これからの兵庫県、日本を支えてくれる20代・30代をしっかり応援することが大事だ」と述べました。
そのほか、2025年の大阪・関西万博に向けての「仕上げの一年」として、さらなるPRや、県内への観光客受け入れ体制の強化に注力します。また、2025年に阪神・淡路大震災の発生から30年となることに合わせた事業に予算を割き、発信に力を入れます。
なお、収入と支出の「均衡」は6年続けて達成していて、2028年度までの収支不足の総額はこれまでの255億円から215億円にやや改善する見通しです。