神戸の中華街・南京町で中国の旧正月を祝う「春節祭」が、12日まで3日間開催される。
春節祭は1987年から開かれ、今年で36回目。昭和天皇崩御(1989年)と阪神淡路大震災(1995年)の2回は中止となった。1997年には、神戸市の地域無形民俗文化財に指定された。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021~22年はオンライン配信するなど規模を縮小していたが、昨年(2023年)からは“リアル開催”となった。
ステージでは役者の面が一瞬で変わる変臉(へんれん 変面とも ※2月10・11日のみ)や獅子舞などを楽しむことができる。昨年に引き続き、豪華賞品の当たる「ポチ袋くじ(250円)」、南京町の28店舗で本格中華の特別メニューを味わえる「迎春餐&福袋(2024円)」などを販売している。
昨年、3年ぶりのリアル開催時より多くの人出でにぎわう南京町。曹さんは、その中心・南京町広場にほど近い「老祥記」の3代目でもある。豚まん(肉まん)が大人気の老祥記。春節祭では長蛇の列が予想されるため、通路が大変混雑することは避けられない。そこで曹さんはある決断をする。「3日間、老祥記は南京町の店頭で営業しない」。
その代わり、南京町の東にある大丸神戸店で臨時販売することに。ホクホクに蒸しあがった豚まんは、丁寧に包装紙に包まれ、スタッフが何度も往復して運んでいる。
春節祭を統括する責任者でもある曹さんは、ラジオ関西の取材に対し「せっかく来たいただいたお客さんに、いつもの場所で商品をお分けできないのは心苦しいが、混雑が予想される中、春節祭を楽しむ方々に、もしものことがあっては元も子もないから」と、早くから危機管理の重要性を説いていた。