料理の必需品である「食用油」。スーパーに並んでいるサラダ油を見るとほとんどの商品のパッケージには「コレステロール0」という謳い文句が記載されています。何となく「コレステロールは体に良くないもの」「0だと嬉しい」というイメージがあるのですが、筆者が調べたところサラダ油など植物性の油にはコレステロールが含まれていない.....という情報を得ました。これは事実なのでしょうか? 管理栄養士の野口知恵さんに話を聞きました。
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「全く0ではなく少量含まれているものもありますが、植物性の油にはコレステロールは基本的に含まれていません」(野口さん)
そもそもコレステロールとは何なのかを問うたところ、「バター・オリーブオイル・サラダ油など、油の種類が違うと含まれる『脂肪酸』の種類も異なります。脂肪酸の種類の中でも『飽和脂肪酸』がコレステロールのもとになります」とのこと。
「サラダ油、アマニ油は100グラム中にわずか2ミリグラムほどのコレステロールを含みます。オリーブオイルは完全に0です。コレステロールは、食品100グラム中の含有量が5ミリグラム未満でも食品表示で0と表記することができます。ココナッツオイルやパーム油はコレステロールは0ですが飽和脂肪酸が多く含まれるため、摂りすぎには気をつけることが大切です」(野口さん)
なぜ元々含まれていないコレステロールについて、あえて「0」表記をしてまで各メーカーはアピールするのでしょうか。
「日本人は昔に比べて動物性食品を多く摂るようになった結果、コレステロール値が高い人が増えました。健康を意識するために表示されていると考えられます」と野口さんは推察。
では、コレステロールは体にどのような影響を与えるのでしょうか。
「コレステロールは細胞や血管を丈夫にしたりホルモンの材料にもなり、体にとっては必要なものです。とは言え、摂り過ぎると血管内に留まり動脈硬化を起こしたり、血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞の原因になったりします」(野口さん)
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ちなみに、コレステロールは食べなくても体内で作ることができる物質だそう。そのため野口さんは「食べ物から摂り過ぎないほうが良いですね」と、注意を促していました。