『道後温泉』は、1911(明治44)年の開業時の洋風建築を再現した趣きのある駅舎。いまはスターバックスも入居しています。改札を出ると、開業時のしつらえを施した人気の坊ちゃん列車が展示されているのが目に入ります。なお、この観光列車は、現在運転手不足のため3月19日まで運休中です。
駅前の公園には名物のからくり時計に、足湯コーナー、そして俳句ポストも。ハイカラ通り商店街を5分ほど歩くと、道後温泉本館に到着。1894(明治27)年に完成した木造3層建ての建物は現在保存工事中ですが、裏口から入って入浴は可能です(※今年夏には工事終了予定)。隣接する蔵屋敷風の椿の湯と別館・飛鳥の湯との中庭には、写真家・蜷川実花さんの作品が華やかに一堂に展示されています(※保存工事終了まで展示予定)。
では再び『上一万』に戻って、内回りの環状電車の旅を続けましょう。次の『平和通り1丁目』からは、これまでの路面区間から単線の専用軌道に入っていきます。
現在、市内線を走るのは4種類の車両たちです。50形は製造から60~70年が経過しますが、今なお元気に走っています。2000形は京都市電から譲渡された車両で、狭軌用に改造されました。2100形はいよてつ初の低床型車両で、その形や導入当時の色から“豆腐”とも呼ばれています。そして2017(平成29)年から登場した5000形は、市内線の最新車両で、車内には無料Wi-Fiも設置されています。
『古町(こまち)』は伊予鉄道の重要拠点で、郊外線である高浜線の電車と市内線の路面電車の両方が乗り入れます。ここは夏目漱石の「坊ちゃん」にも登場する駅で、車両基地や工場も併設されています。
そして繁華街からは少し離れた位置にあるのが『JR松山駅前』。三角屋根に旧字体と昭和感満載のJR松山駅は高架化工事の真っ最中で、2024年度中に駅前広場や駅舎は大きく生まれ変わる予定です。