アニメ「ドラえもん」、ゲーム「スーパーマリオ」を見た子どもたちから「これなに!?」とよく聞かれるのが、「土管」です。
確かにあまり見かけなくなったというか、昭和の漫画に出てきたような、空き地に下2本、上1本の土管が積んであるところなんて私が小さいときにも見たことはありませんでしたね。
とはいえ、公園の土管はよく見かけましたし、私はそんな土管で遊ぶのが大好きでした。
土管の中に入ると、なんだか異空間に入ったような気持ちになって冒険心がくすぐられるんでしょうね。やや薄暗く狭いところを、腰をかがめてハイハイしながら進んでいくとワクワクするようで、なんだかチャレンジしているようで!? 出口から出ても、「もう一回、もう一回」と再び中に入りたい衝動にかられていました。
ゲーム「スーパーマリオ」シリーズでも、土管はダンジョンの入り口になっていて、中に入れば秘密の空間が広がります。公園の土管に入るときも、同じように冒険に出るような気持ちになっていたんだと思います。
当時の心情を解説しますと……。土管の入り口から一歩足を踏み入れると、体がすっぽりと円形の壁に囲まれます。プレッシャーのような閉塞感も相まって、向こう側に見える元いた世界に向かって一歩一歩突き進んでいるように感じるんです。自分に対して「頑張れ! 頑張れ!」「早くこの空間から抜け出すんだ!」みたいな、使命感やストーリーを抱いて楽しんでいたことを思い出します。
それから、逃げるように土管の中に入って、大人の監視下から解放されたような気持ちにもなって。結構な長い時間を、友だちとコソコソ話しながら過ごしたりもしていました。
あとは、声が独特に響きわたってエコーがかかったようになるのも醍醐味で、中でよく歌ったりもしていました。
それに、土管の壁はヒヤッとするもんですから、夏の暑い日なんかは壁にもたれて涼みつつ体を休めたりもしていましたね。