国宝・三十三間堂(京都市東山区)で3日、恒例の「春桃会(しゅんとうえ)」が開かれた。
“桃の節句” としての春桃会は、三十三間堂の名にちなみ、三の重なる三月三日に行われる法会。今年で20回目を迎えた。
この日は無料開放され、華道家元池坊 池坊専好・次期家元による桃の花の献華や、いけばな展が催された。
(※記事中の写真は、特別に許可を得て撮影しています)
三十三間堂とは通称で、正式には蓮華王院(れんげおういん)という。平安時代末期の1164(長寛2)年、後白河上皇が自身の住まいとした「法住寺殿」に、平清盛の寄進によって建てたお堂に始まるが、のちに火災により焼失。現在のお堂は鎌倉時代に再建され、国宝となった。
三十三間堂の名は、本堂内陣の柱間の数が33あることに由来する。
日本一長い木造建築として知られる本堂をもつ寺院で、1001体もの千手観音像が安置されている。左右10列の各段に50体ずつ整然と並ぶのが千手観音“立像”。中心に祀られる像の高さ約3.3メートルの“坐像”と合わせて1001体。千体観音立像は2018年に国宝に指定されている。
1001体の千手観音像の中には、「会いたい人に似た顔の観音像が必ずある」と言われている。
参拝者は、1001体の千体観音像を特設の高壇「東風壇(こちだん)」から遥拝(ようはい・遠くから拝礼すること)した。また、この日限定で女性専用の「桃のお守り」も授与された。