今年1月1日に発生した能登半島地震から、今月1日で丸2か月迎えました。自衛隊や全国各地の自治体、団体・企業などの職員が被災地に赴き、被災した人たちの避難生活や暮らしの再建を支援しています。
エネルギー供給の復旧に向けて被災地を訪れた顔ぶれの中にいたのが、兵庫県LPガス協会のスタッフの姿でした。同スタッフは「日常生活を取り戻すための一助」として、ガス供給が止まっていた約80軒で仮設供給を設置し、復旧させました。
LPガスは地震などの災害に強いとして注目されています。最近は、投光器一体型発電機や炊き出しセット、コンポジット容器など、災害時に活躍するさまざまなアイテムがそろいます。
兵庫県LPガス協会・神戸支部長の山崎勝良さんよると、LPガスには災害時に有用と言える特性が大きく分けて3つあるといいます。1つ目は、普段から容器を2本設置しているため、災害発生時にも予備容器分を活用して普段と変わらぬ生活を送ることができる点。2つ目は、個別供給されていることから、道路が寸断された場合にも迅速な復旧が可能な点。そして3つ目は、容器に詰めるだけで簡単に持ち運びができるという可はん性の高さゆえ、仮設供給が簡単に行える点です。山崎さんは、「これらの特性こそが、LPガスが災害に強いとされる理由」と話します。
非常用発電機、ガスエアコンなどの空調機器、災害用バルクシステムなど、設備は現在も進歩を続けています。なかでも、大容量を貯蔵することのできる「災害用バルクシステム」は、公共施設などでも取り入れられています。
神戸市立六甲山小学校では、災害用バルクと発電機を導入。災害時も72時間は日常生活をストレスなく送ることができるとされていて、陸の孤島となってしまわないための対策として活躍が期待されています。
今後も、南海トラフ巨大地震を初めとする災害の発生が懸念されます。そこで同協会では、県内41市町との災害時支援協定締結に加え、県内すべてのコミュニティラジオと神戸市内のAMラジオ局と二次災害防止の災害協定を結んでいます。山崎さんは「普段から(LPガスに)慣れ親しみ、知ってもらうことが大切」と語りました。