―――なぜ、さまざまな色のモザイクタイルが登場した?
【後藤さん】 内装タイルが普及した昭和初期は白色が主流で、駅や学校のトイレの壁には白いタイルが使用されていることがほとんどでした。一方、個人住宅や店舗などでは、個性的なさまざまな色合いを用いたタイルを使う人が増加。景気の良かった当時、家のなかを華やかに見せたいという思いがあったのではないでしょうか。この流行によって、タイルメーカーはさまざまな色合い、特徴的な形状のタイルを開発したのです。
さまざまな形・色の石が散りばめられた「玉石」のモザイクタイルは、当時の風呂や洗面台で多く使われていましたね。「玉石」は、昭和を代表するタイルとして多くの人に認知されているのではないでしょうか。
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平成に入り、より耐水性に優れたプラスチックなどが登場したことで、内装用タイルの使用は徐々に減少。外装についても、ガラスや金属に置き換わっていったといいます。
昭和住宅の“水まわり”を代表する、色とりどりのモザイクタイル。懐かしのインテリアアイテムを取り入れて、昭和レトロを楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip』2024年3月14日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)