生活していく上で必ず使うもののひとつが「道路」。行きたい場所の道のりを伝える時に「国道何号の近く」などのように道の名称をよく使う人も多いのではないでしょうか。今回は「国道の番号はどのようにつけられているのか?」など、いくつかの疑問について国土交通省などの資料で調べてみました。
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【国道はいつからある?】
日本で国道という名称が正式に定められたのは1876年(明治9年)。道路を「国道」「県道」「里道」の三種類に分け、さらに一等・二等・三等という「等級」に分けられていました。その後1885年(明治18年)に、国道1号~44号の44路線を定められ初めて一般に公表されました。当時はすべての国道は東京の日本橋を起点にしていたそうです。戦後の1952年(昭和27年)には、新道路法改正時に1桁もしくは2桁の番号を付けた「一級国道」、3桁の番号を付けた「二級国道」に分けられました。1964年(昭和39年)の道路法改正時に一級・二級の分類は廃止され一級国道に統合され、現在の一般国道となりました。
【国道の番号の付け方はどのようにして決まるのか?】
現在の国道は、かつて一級国道と二級国道に分類された際に割り振られた路線名を基本として番号が割り振られています。国道1号から58号までは東京を中心として、国土の骨格を形づくるように、順次番号がつけられました。101号からあとの路線名は、北から南へ順次番号をつけていく方法を原則としています。
【国道には欠番がある】
現在の国道の路線は1号から507号まであり、このうち48路線が欠番となっています。欠番が出たのには1964年の道路法改正後から国道の追加は3桁の番号が付けられているため、59号~100号までが欠番になっているのです。そのほかにも、国道108号に統合された109号や、国道48号に変更になった110号など路線の統合や変更によって、欠番となっている場合もあります。
【一番長い国道、短い国道は何号?】
日本で一番長い国道は東京~青森市を結ぶ実延長742.5キロメートルの「国道4号」。この道路は、江戸時代に日本橋を出発点とした日光街道及び奥州街道にあたり、当時から政治・経済・文化を支える重要な道路でした。各県を経て青森市に至る路線で、関東と東北を結ぶ大動脈です。逆に、日本で一番短い国道は神戸港~神戸市中央区を結ぶ0.2キロメートル程しかない「国道174号」です。この国道は神戸港と国道2号を結ぶ道路で港からの物資流通のための重要な道路となっています。
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道路のように「身近すぎて不思議とも思わないもの」にあえて目を向けてみると、おもしろい発見があるかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip』2024年3月19日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)
参考:国道交通省ホームページ