瀬戸内海を臨み、豊富な水産物に恵まれた「海のまち」「食のまち」として知られる兵庫県明石市。官民一体となり、街の資産をいかしたPRや街づくりを次世代へとつなぐ活動を行っているのが、市民団体「ACC(アカシクリエイティブクラブ)」です。
明石市の市議会議員や会社経営者など122名の会員が集うACCは、1991(平成3)年に設立されました。ACC副会長の松尾静男さんは、「当時は行政の打ち出す政策が市民に伝わらず、市政には閉塞感がただよっていた。そんな状況を打破するため、行政と民間が一緒に街づくりに取り組む団体としてACCが立ち上がったのです」と設立の経緯を話しました。
設立当初は明石市の長期総合計画について学んだり講演会を開催したりしていましたが、阪神・淡路大震災の発生直後に「絆フェスティバル」を主催。街の活性化に向けた取り組みを行うようになりました。
実は、同団体は、いまやご当地グルメとして全国的な知名度を誇る「玉子焼(明石焼)」のアピールにも大きく貢献。「明石玉子焼フェスティバル」を開催したほか、玉子焼(明石焼)のPRを行う「玉選組(ぎょくせんぐみ)」を結成し、活動しました。
松尾さんによると、「B-1グランプリスペシャル」で明石市とともに見事ゴールドグランプリを獲得した、あかし玉子焼ひろめ隊も「玉選組」から誕生したのだといいます。
現在の活動テーマは、「活性」。月に一度の例会では、会員間の親睦を深めるとともに講師を招いた講演会や街づくりにつながる活動を行っています。また、あかしSDGsパートナーズ登録団体としてSDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に向けた取り組みも推進中です。
観光をテーマにした新プロジェクト「ええとこ明石・おいでよ明石」では、ドローンで撮影した市内の観光名所の動画をACCのホームページで公開しています。
第一弾として公開されているのは、「明石浦漁業協同組合」「魚の棚商店街」「大蔵海岸BBQ ZAZAZA」の3本。活気あふれる競りの様子やにぎやかな商店街、そして明石海峡大橋を目の前に海の幸が味わえるバーベキュー施設と、まさに“海と食のまち・明石”の風景を見ることができます。
松尾さんは、「今後も新しい動画を追加し、今まで見たことがないような映像で明石の魅力を発信していく予定です。ACCが明石市の発展に寄与できる団体として、さらに成長していけるようにこれからも頑張っていきたいと思っています」と力を込めて語りました。(嵐みずえ)
※ラジオ関西『原田伸郎のびのび金曜日』2024年3月1日放送回より