カナダ政府は21日、大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)に出展するパビリオンの起工式を会場の夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)で行った。
起工式でイアン・マッケイ駐日カナダ大使は、今年(2024年)、日本とカナダとの修好関係が95年となることや、1975年沖縄海洋博、1985年科学万博つくば、2005年愛知万博(愛・地球博)と、日本主催の万博に積極的に参加してきた歴史の積み重ねを強調した。
吉村洋文・大阪府知事は「G7(先進国首脳会議)のパートナーとして親和性もあるカナダ。大阪・関西万博は単なる展示会ではなく、互いに社会問題を提起して共有し、将来の羅針盤を作り上げるものだ」と話した。
間もなく開幕まで1年となった大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンの着工の遅れが懸念されているが、カナダは独自でパビリオンを出展する「タイプA」に分類され、工事の迅速化のためにあらかじめ作った建物のパーツを日本へ運び、大阪で組み立てる。
カナダ政府のローリー・ピーターズ代表は、1967、86年に自国で万博を開催した経験から、「世界的な大規模イベントである以上、開幕前はさまざまな懸念が生まれるものだ」と話した。
そして、来年(2025年)5月17日には、会場で“ナショナルデー”(公式参加国による独自のイベントを展開する日)を開催することが決まっていることを明かした。
さらに発表会後、ラジオ関西の取材に対して「主にイギリスでパーツの制作が進んでいる。4月から着工準備に入り、ナショナルデーまで1年となる5月には本格的にパビリオンの組立作業に入りたい」と、工程が順調であることを強調した。パビリオンは来年3月には完成する見込みだという。
カナダ政府をめぐる大阪・関西万博の動きは、昨年(2023年)夏にはパビリオンのデザインや建設事業者の選定を済ませ、公式参加契約にも調印していた。秋にはパビリオンのコンセプトも公表している。