【淡路島発】栄養価もアップ? クラシックを聴いて育った牛から搾った「モーツァルト牛乳」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【淡路島発】栄養価もアップ? クラシックを聴いて育った牛から搾った「モーツァルト牛乳」 

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 日本では、その地域ならではの特産品がたくさんあります。兵庫県ならではの商品を「地域らしさ」「新しさ」などの観点から県が選び、全国に発信している「五つ星ひょうご」。こだわりの製法でつくられた「モーツァルト牛乳」も、今年度の選定品のひとつです。製品を製造販売する淡路島牛乳株式会社の稲山諒さんに、その特徴を伺いました。

 同製品は、モーツァルトの音楽を聴かせてストレスフリーで育った乳牛の生乳を使用。さらに淡路島内の酪農家一軒に限定した生乳を使っているのだそう。一軒の酪農家の生乳だけで牛乳を商品化することはコスト面から難しいようですが、同社は商品化にチャレンジ。全国的にも珍しい取り組みなのだとか。

「その結果、予想以上のおいしい牛乳を作ることができました。今までの牛乳のイメージを覆すような味わいが魅力です」と稲山さん。さらに、酪農家と牛乳工場の距離も近く、車で約10分の距離にあるため、新鮮な状態で集乳して製造できるのも強みなのだそうです。

淡路島内の酪農家一軒で搾った生乳から作られた 『モーツァルト牛乳』。(提供:淡路島牛乳株式会社)
淡路島内の酪農家一軒で搾った生乳から作られた 『モーツァルト牛乳』。(提供:淡路島牛乳株式会社)

 同製品の生乳を生産するのは、有限会社グリーンファーム。代表の木曽耕造さんは、令和3年の淡路農林水産祭にて金賞を受賞された酪農家です。乳牛にモーツァルトの音楽を聴かせようと思ったきっかけを、木曽さんに伺いました。「モーツァルトの音楽は、癒しの音楽として知られています。そのため、乳牛に聴かせればリラックス効果が期待できるのでは、と思ったのがそもそもの始まりです」とのこと。

 音楽を聴かせることによる変化については、「モーツァルトの音楽を聴かせてからは、牛がすごくリラックスして人なつっこくなりました。リラックスした状態でお乳を搾ることにより、甘み成分が増えておいしい牛乳になったのだと思います」と語ってくれました。数値を測ってみたところ、コクに関係する乳脂肪分、カルシウムやビタミンなどが含まれる無脂乳固形分が、同社のほかの牛乳と比べて高くなったといいます。

 味わいは、コクがあるのにスッキリしているのが特徴。甘くて濃厚なコクがありながら、さらりとした飲み心地でスッキリとした味わいなのだそう。寒い季節には、少し温めて飲むとさらに甘みが増したように感じるのだとか。

 モーツァルトの音楽だけでなく、餌にもこだわりが。牛に与える牧草の約半分は無農薬で育てたものを使用。さらに飲み水は淡路島の地下80メートルから汲み上げた水を、最新式の高性能浄水器を使用しています。

モーツァルトの音楽を聴きながら、こだわりの餌と水を食べる乳牛たち(提供:淡路島牛乳株式会社)
モーツァルトの音楽を聴きながら、こだわりの餌と水を食べる乳牛たち(提供:淡路島牛乳株式会社)

 パッケージは、赤色と金色を使ってモーツァルトの衣装をイメージしたデザインを採用。乳牛も聴いているというモーツァルトのホルン協奏曲第一番の小節があしらわれています。同製品は、主に淡路島内のスーパーや南あわじ市の直売所「美菜恋来屋(みなこいこいや)」の他、オンラインショップでも購入可能。

パッケージにはモーツァルトの音楽をイメージした書体に、代表曲「ホルン協奏曲第一番」の小節をデザイン(提供:淡路島牛乳株式会社)
パッケージにはモーツァルトの音楽をイメージした書体に、代表曲「ホルン協奏曲第一番」の小節をデザイン(提供:淡路島牛乳株式会社)

 澄んだ空気と緑に囲まれた淡路島は、酪農に適した環境が整っています。淡路島で乳牛の飼育がはじまってから120年あまり。「淡路島のおいしい牛乳をこれからも提供できるよう、酪農生産者と一丸となって取り組んでいきます」と稲山さんは話します。

(取材・文=市岡千枝)

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