■宝塚歌劇団、価値の源泉は“人” 全力で改革に取り組む
嶋田社長は、宝塚歌劇団の価値の源泉は、劇団員をはじめ、創作活動に関わる”人”としたうえで、「それぞれが持てる能力を最大限発揮し、最高のパフォーマンスを演じるための環境を整えることが責務だ」と強調した。
そして、「仮に悪意がなかったとしても、厳しい叱責がハラスメントにあたるという“気づき”を、劇団員が認識していなかった。教えていなかった我々に責任がある」として、失った信頼を取り戻すべく、全力で改革に取り組むと述べた。そのうえで、外部有識者6人で構成する「アドバイザリーボード」を4月1日に設置し、助言を仰ぎながら抜本的な改革に努めるという。
■110年の伝統、慣習の積み重ねが非効率、過剰負担に
また、村上理事長は、昨年から続けていた歌劇団関係者へのヒアリングについて、組織風土の見直しや再発防止への糸口になったことを明かし、「継続して進めたい。終わりのないこと」とした。
そして、「これまでの110年間、歌劇団で伝承されてきた多様なルールや指導のあり方について、古くからの伝統や慣習が積み重なり、非効率なもの、過剰な気づかいや負担が生じているケースがある」と話した。
こうした現実を踏まえ、「予断を持たずに検討のうえ、継続すべきことや伝承すべきことは残し、非効率、不必要と判断したものは廃止する」とした。
■村上理事長「パワハラの証拠があるなら見せてほしい」発言撤回、「お恥ずかしい」
歌劇団側は昨年11月の会見で、週刊誌が報じた、上級生がヘアアイロンを女性の額に当ててやけどを負わせたことについて報告書の内容をもとに「故意だとは確認できなかった」と指摘し、上級生らのパワハラ行為を認めていなかった。この時村上理事長は、「(パワハラの)証拠となるものをお見せいただきたい」と発言していた。