2024年、元日に能登半島を襲った地震から3か月あまりが経ち、被災地各地では現在も8000人を超える人が避難所に身を寄せている。現在も断水が続き、今後も住居の確保など生活再建に向けた支援が課題となっている。
こうした中、金沢マラソン組織委員会(石川県金沢市)が、10回目となる今年(2024年)の大会を10月27日(日)に開催し、出場定員を過去最多の1万5000人にすることを決めた。
このうち500人については、能登地域に住む人を優先的に「能登被災地ランナー枠」として抽選で選ぶ。
3月31日には阪神・淡路大震災の被災地、神戸で金沢マラソンのPRと能登半島地震の復興支援を呼びかけ、学生ボランティアや神戸マラソンに参加した市民ランナーらが、支援金の募金活動を行った。
神戸、阪神間に住む人々の震災に対する思いは強い。募金活動を行った神戸の中心地・三宮センター街(神戸市中央区)では、神戸市内に住む30代の女性が、1年前に金沢旅行へ行ったばかり。「兼六園をはじめ名所がいっぱいで、また行きたいと思っていた矢先の地震で、とてもショックを受けた。微力ながら募金という形で支援出来たら」と話した。
また、神戸・ポートアイランドで被災した60代の女性は、「他人事ではない。報道で能登半島の様子に接するたびに心が痛む。阪神・淡路大震災も1月17日。あの日の光景と重なる。今は募金という支援だが、いつか必ず、美しい街にもどった能登を訪れたい。神戸も29年間頑張り続けた。能登の皆さんも頑張ってほしい」と答えた。
2023年の神戸マラソン・市民ランナー、見嶋眞紀子さんと秋山雄飛さんも、募金活動に駆け付けた。見嶋さんは2時間43分の自己ベストを更新、4位に。「金沢マラソンには過去3回出場し、景色もさることながら、特産物を使ったエイドステーションが印象に残っている。神戸同様ことしも金沢にもエントリーしたい」と意気込む。
秋山さんは青山学院大出身で、2016、17年の箱根駅伝(第92・93回)では「湘南の神」と称された大物。今は学生の記録会に接することも多い。「世代を問わず、一生懸命走っている姿を見ると、自分も元気をもらえる。私も走ることで、勇気や希望を与えることができると思う。機会があれば、ぜひ金沢マラソンに参加したい」と話した。