今津灯台を所有する大関の長部訓子(おさべ・くにこ)代表取締役社長は創業家出身。セレモニーで、風格漂う灯台を見つめ、点灯のスイッチを押した。
セレモニーを終え、長部社長はラジオ関西の取材に対し「感情が沸き上がり、創業者・初代大坂屋長兵衛が現れ、樽廻船がすぐそこに見えるような感覚に浸った。これから私たちや灘五郷、西宮を見守る新しい灯(ともしび)となり、ランドマークになれば」と感慨深げに話した。
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日本酒の復権は、インバウンド(訪日外国人客)や海外市場での拡大による影響が大きい。国内ではアルコール離れや人口減少という課題をクリアしながら、一部でその魅力が見直され、多彩な食事とのペアリングを酒造会社が提案するなど、新たな段階に進んでいる。
長部社長は、「日本酒の人気は、アメリカや中国への輸出量の大きさが物語っているが、その他の海外諸国でもワインのように、一般家庭で冷蔵庫を開ければ“SAKE”があるという日常を作り出したい。日本酒は、デンプンを糖分に変える工程と、その糖分を発酵させる工程が同時進行する『並行複発酵』という醸造法で製造される。これは世界で類を見ない高度な発酵技術とされ、これが日本酒が持つ、繊細でまろやかで深い味わいを醸し出す基となる」と語る。
この日は、酒蔵で古くから唄われてきた「酒造り唄」の奉納もあった。大関の社内有志「酒造り保存会」のメンバーが集まり、毎月1回、終業後に練習しているという。記念の日ということもあり、メンバーは緊張した面持ちだったが、「秋洗い唄」と「酛摺り(もとすり)唄」を披露、セレモニー出席者から大きな拍手が上がった。