現役最古の木造 兵庫・西宮『大関酒造 今津灯台』移設、江戸期の趣残し再点灯「そこに樽廻船が…」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

現役最古の木造 兵庫・西宮『大関酒造 今津灯台』移設、江戸期の趣残し再点灯「そこに樽廻船が…」

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 今津灯台を所有する大関の長部訓子(おさべ・くにこ)代表取締役社長は創業家出身。セレモニーで、風格漂う灯台を見つめ、点灯のスイッチを押した。
 セレモニーを終え、長部社長はラジオ関西の取材に対し「感情が沸き上がり、創業者・初代大坂屋長兵衛が現れ、樽廻船がすぐそこに見えるような感覚に浸った。これから私たちや灘五郷、西宮を見守る新しい灯(ともしび)となり、ランドマークになれば」と感慨深げに話した。

点灯スイッチを入れる大関・長部訓子代表取締役社長(写真右奥)
長部社長「ご先祖が見守ってくれている 樽廻船が見えてくるかのような感覚に」

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「大関酒造り唄保存会」のメンバーも再点灯の瞬間を見守った
地元・福應(ふくおう)神社の禰宜による安全祈願 神社では移設工事中の灯りを大切に保管していた

 日本酒の復権は、インバウンド(訪日外国人客)や海外市場での拡大による影響が大きい。国内ではアルコール離れや人口減少という課題をクリアしながら、一部でその魅力が見直され、多彩な食事とのペアリングを酒造会社が提案するなど、新たな段階に進んでいる。

 長部社長は、「日本酒の人気は、アメリカや中国への輸出量の大きさが物語っているが、その他の海外諸国でもワインのように、一般家庭で冷蔵庫を開ければ“SAKE”があるという日常を作り出したい。日本酒は、デンプンを糖分に変える工程と、その糖分を発酵させる工程が同時進行する『並行複発酵』という醸造法で製造される。これは世界で類を見ない高度な発酵技術とされ、これが日本酒が持つ、繊細でまろやかで深い味わいを醸し出す基となる」と語る。

「酛摺り(もとすり)唄」別名「ご祝儀唄」とも呼ばれる
メンバーは毎月1回、終業後に“声合わせ”練習に取り組んでいる 酒造り唄は複雑な工程で、それぞれの作業に合わせて唄われてきたという

 この日は、酒蔵で古くから唄われてきた「酒造り唄」の奉納もあった。大関の社内有志「酒造り保存会」のメンバーが集まり、毎月1回、終業後に練習しているという。記念の日ということもあり、メンバーは緊張した面持ちだったが、「秋洗い唄」と「酛摺り(もとすり)唄」を披露、セレモニー出席者から大きな拍手が上がった。

灯りは緑色から赤色に
「新たな西宮のランドマークに」”酒造り”という産業の歴史と技術を日本へ、世界へ発信する象徴にと願う

◆今津灯台・大関オフィシャルWEBサイトより

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