連続起業家兼アーティストのCEOセオさんとフリーアナウンサーの田中大貴さんがパーソナリティーを務め、2022年10月から1年半にわたって放送されてきたラジオ番組『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西)。最終回を迎えた3月30日のオンエアでは、セオさんと田中さんが、これまでの放送を振り返りながら、未来のラジオの在り方について語り合いました。
番組冒頭、1年半の印象深いゲストについて、「お堅い金融系から流しの歌手まで幅広かった」と、セオさん。田中さんは『タイムマネジメントのスペシャリスト』という女性経営者(2023年2月23日放送回、ゲスト=前川彩香さん)の話が心に残っていると明かします。
一方、フリーになってから本格的にラジオ番組に出演するようになったという田中さんは、「しゃべり手として、ラジオは、テレビより難しさはあるが、ハマるような、抜け出せない没入感、心地よさがある。しゃべれる幅も広いし、(ラジオ出演を好む著名人など)ラジオを大事にする」と、その魅力を語ります。
この最終回には、番組プロデューサーの黒川良彦も飛び入り出演。セオさんと田中さんから今後のラジオ業界の戦略について問われた黒川は、「radikoのおかげで、ずいぶんラジオが身近になった」と述べたうえで、「災害などの緊急時においてもラジオの価値が再認識された」とコメント。ただし、業界を取りまく現在について「電波(ラジオ放送)だけでは厳しい。いろんなものを組み合わせて立体的にしていかないといけない」と危機感を募らせます。
そのなかで、セオさんは、これからのラジオについて「僕は全部フルの公開収録でもいいかなと思う」と提案。その理由について、「お店みたいなもので、常に見える状態のほうが、いったんそこでインプレッション効果が出るので。そのように副次的な効果がないと。ラジオ番組にもインプレッションが欲しい」と、長年ウェブマーケティング業界に携わっている視点で、『インプレッション』の重要性を説いていました。
ただし、「ラジオが(YouTubeやSNSなどで)映像ショーを取り入れると、テレビ局と同じになるのでは。個室を解放すると、視覚的な刺激はテレビと同じ」と、田中さんは個室スタジオ収録の醍醐味についても触れます。
それでも、セオさんは「いまはどこでもいつでもなんでも見れる時代。だからこそ、ここにいかなきゃ見れないコンテンツに意味がある。(公開生放送などに行けば)グッズがもらえたりとか、ビジネスモデルの転換をしていかないと」と、オンエアに限らない番組作りに言及。
「広告って、効果測定しづらいことも必要」というセオさんは「今までテレビやラジオはそれでやってきたが、だんだんとデジタルになってきて、すべてが効果測定できちゃう。そうなると、あいだのバランスもとらなきゃいけないので、そこをどうするか、ということですよね」と、オールドメディアの生き残り策についても考慮していました。
「我々が知らなかった世界があった」(黒川)という『セケンテー』番組について、「正直リスナーの方は大変だったと思う。非常にやさしくない番組だったのかな」と苦笑したセオさん。初ラジオパーソナリティーは「好きにやっていただけで、普段話していたことを話していた」と言いつつ、「大貴さんがいたから自由に発言できた」とバディを組んだ田中さんへ感謝。最後には「リスナーの方、ありがとうございました!」と締めくくっていました。
田中さんも、「僕は経営者としての顔も持ちたいという思いで生きているので、セオさんから受ける影響は大きかった。毎回(番組収録は)スクールに来ているような感じだった」と述べるとともに、「またどこかのタイミングで、ラジオだけどラジオではないような番組や、新たな展開をやっていきたい」と、今後への意欲ものぞかせていました。
※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2024年3月30日放送回より
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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558KHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティーを務める。