累計発行部数約3500万部を誇る児童書の超ロングセラーシリーズ「かいけつゾロリ」の35周年を記念した展覧会「35周年記念 かいけつゾロリ大冒険展」が、宝塚市立文化芸術センターで開催されている。2024年5月19日(日)まで。
「かいけつゾロリ」シリーズは、1987年に第1巻『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』が創刊され、2022年に35周年を迎えた。2024年4月現在74巻まで発刊されている超ロングセラーシリーズで、2004年にはテレビアニメ化された。主人公・キツネの「ゾロリ」とお供の双子のイノシシ「イシシ」と「ノシシ」が、いたずらの王者を目指す修行の旅をしながら活躍するというストーリーで、迷路やパロディ、隠し絵など、子どもが次のページをめくりたくなるような仕掛けがちりばめられている。今展では、原画や作品に登場する「お宝」など約200点を展示し、ゾロリたちの冒険を振り返る。
会場には、子どもの目線に合わせ、少し低い位置に作品の表紙や原画が並ぶ。各巻のあらすじに作者・原ゆたか氏のコメントが添えられており、原氏がどんな思いで作品作りに取り組んでいたのかがわかる。映画好きの原氏が映画からインスピレーションを受けて誕生したストーリーや、その時々の流行を作品に登場させることもあるという。原画からは緻密な作業の跡が見えるほか、枠外にも「小さい読者」を思うコメントが書かれていることもある。
また原氏のアトリエも再現されているほか、ストーリーを組み立てていくためのファイルなど貴重な資料も展示されている。
原氏は、高校生時代を西宮市で過ごした。またかつて手塚治虫氏にもサインをもらったことがあり、今回、宝塚で「ゾロリ展」が開催されることに「縁を感じている」という。
宝塚市立文化芸術センターの羽良朝風キュレーターは、「作品を知らなくても楽しめる。フォトスポットなどもあるので、親子で楽しんでほしい」と話す。