春になると聞こえてくるウグイスの鳴き声、「ホーホケキョ」。あのさえずりは、最初からちゃんと鳴けるわけではなく練習を重ねて上達していくらしく、はじめは何だかちょっとおかしな鳴き方をするのだそう。
そんな噂を聞きつけた私は、「下手くそなさえずりを聴いてみたい」と森の中に入ることにしました。
しかし、聴こえてくるのは「ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ」というきれいなさえずりばかりで、下手くそな鳴き声は聴こえてきません。
「もしかして、下手くそすぎてウグイスの鳴き声だとわからないのかも?」と思い、日本野鳥の会ひょうごの方に問い合わせてみることに。
聞いたところによると、今の時期、兵庫県南部だともうすっかり上手くなっているのだとか。
さらに、「ホーホケキョ」以外に、「ケキョ」の部分だけを連発して「ケキョ! ケキョ! ケキョ!」と鳴く『谷渡り』と、「チャッ! チャッ! チャッ!」と鳴く『地鳴き』があるそうで、それらの鳴き方だとウグイスだと気づかない人も多いのだと教えてくれました。
もうすっかり上達しているということがわかったので、「下手くそな鳴き声はまた来年や」と気持ちを切り替えて、『谷渡り』『地鳴き』を聴いてみようとほかの森に行ってきました。
森に入ってしばらくするとウグイスの鳴き声が聴こえてきたのですが、何だか様子がおかしい……?