メンバー2人だけでなく、ほかの共演者からも「よくわからない説明よりも、実際のステージを見てもらうことでより深く理解してもらえる。母親と同世代のMr.マリックがいることでも安心してもらえる」と説得されるとともに、「何かあっても私たちがいるから大丈夫」と力強く後押しされたという。
そんな仲間たちに支えられる形で、母親を大阪会場での公演に招待することに。そして当日、ステージに立つサマンサの後ろのスクリーンには、満面の笑みの母親が映し出されていた。
今回の公演において、Mr.マリックは「親子の絆」もテーマにしていたのかもしれない。Mr.マリックと娘のLUNA、方向性は違うが同じエンターテインメントでつながっている。
親子関係を構築していくなか、遠回りをしてきたMr.マリックとLUNA。そんな2人が同じステージに立つことができたきっかけは、「マジックのステージに楽しい雰囲気を作り出してくれたD3だった」と、Mr.マリックは明かした。
さらに、Mr.マリックは千秋楽のトークでもD3の活動に言及したそうで、会場を訪れた母親とサマンサの幼馴染は「それ(D3について触れたの)は、サマンサと母親に向けた優しさだったのでは」と感じたという。
今回のような機会を設けてくれたMr.マリックをはじめ、共演者、マネージャー、スタッフに感謝しつつ、サマンサはこのように胸の内を明かした。
「親子というのは、遠回りすることがある。1番近い存在は親だが、事情があって遠回りする家庭もある。そして、この遠回りは無駄にならないこともある」(サマンサ)
同公演では、サマンサの心を掴んだもう一つのエピソードがある。それは、観客と一緒にスプーン曲げを体験するコーナーで、車いすの夫婦からかけられた言葉だという。
なかなかスプーンを曲げられずにいた奥さんに、サマンサは「残念ですね」と声をかけた。すると、夫婦は口をそろえて「今日、来られてよかった。そして会えてよかった」とひと言。サマンサは、「ホロッときたのと同時に、来場者の笑顔が見られたことが原動力になった瞬間だった」と思い返した。