光も闇も 想像と空想のjunaidaの世界「IMAGINARIUM」伊丹ミュージアム | ラジトピ ラジオ関西トピックス

光も闇も 想像と空想のjunaidaの世界「IMAGINARIUM」伊丹ミュージアム

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 近年出版した絵本が話題となっている画家・junaida(ジュナイダ)の初の大規模な個展が、市立伊丹ミュージアムで開かれている。2024年6月2日(日)まで。

展示風景「IMAGINARIUM」

 1978年生まれの画家・junaidaは、『HOME』(サンリード)がボローニャ国際絵本原画展2015で入選し、『Michi』(福音館書店、2018)、『の』(福音館書店、2019)、『怪物園』(福音館書店、2020)などの絵本が話題となるなど、国内外で高い評価を受けている。今展では過去の作品から描き下ろしの作品など、400点を超える原画を紹介するとともに、会場にあわせて細かく考えられた光や空間の余白、そしてそれらが生み出す余韻が、建築家の張替那麻さんによってデザインされた幻想的な空間の中で創られている。「巡回展ですが、関西では伊丹のみの開催です。展示室が複数ある市立伊丹ミュージアムならではの空間とも融合して、junaidaさんの世界がとてもよく表現されていると思います」と同ミュージアムの岡本梓学芸員は話す。

 作品は、ヨーロッパを思わせる謎めいた世界に人物や風景が緻密に描き込まれ、鮮やかな色彩の中に明るさと闇が共存する。気がつくと作品に顔を近づけて見入ってしまう。会場ではそんな人の姿も見られる。

 代表作の絵本『Michi』。言葉はなく絵だけの作品だが、岡本さんは「迷宮のような世界をどこからどのように描いているのかと驚いてしまうほど、1枚の絵の情報量がすごい。主人公の男の子・女の子がどこにいるのか、探すのもいいし、絵の中に隠された他の物語を想像してみるのもおもしろい」という。

『Michi』原画(福音館書店、2018)(c)junaida
『Michi』原画(福音館書店、2018)(c)junaida

 今展のために描き下ろされ、展覧会のタイトルにもなった「IMAGINARIUM」。「イマジネーション」の「IMAGINE」と、「プラネタリウム」などの語尾「-RIUM」を組み合わせた「想像の美術館をイメージした」造語で、鑑賞者の感想や体験によって自由に感じてほしいという意味が込められているという。junaidaさんの集大成のような作品で、これまでの作品を思い起こさせるモチーフが散りばめられている。

「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
「IMAGINARIUM」(2022)(c)junaida
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