【近藤】 お水を飲むときだってそうですよね?
【平松】 それそれ! (近藤さんは)どうしてます?
【近藤】 これ、私もいつも大変で。もう最近は、「水を飲んでる私も見ろ!」と思って飲んでます。水を飲むときはシーンとしちゃうから、「早くMCにいかないと」と焦っちゃうんですけど、今は水を掲げて「飲みまっせ!」と。「水を飲んでる私を見てもらったらええやん」と思ってます。でも、あの時間は焦りますよね。
【平松】 ちょっと焦る。最初はどうすればいいか分からなくて、無の時間だからお客さんも戸惑ってるし。そんなとき、とあるマダムが「ケンちゃん水おいしい?」と声をかけてくれて、「助かったな」と思ったことがあります。
【タケモト】 水を飲んでシーンとなったタイミングで、ファンが「水おいしい?」と聞く流れを別のアイドルのライブで見たことがある。なんか、そういう文化になってるのかもね。
【近藤】 水を飲む瞬間もライブだと思って楽しんでもらえたらいいですよね。平松さんは「ケンちゃん」と呼ばれていたり、ファンの方との距離が近い感じですね。
【平松】 そうですね。昔から、チラシを配りながら「ライブに来てください」みたいな活動をしていましたし、無料ライブを開催したり、ライブ中は客席に行ってハイタッチをするようなライブをしたりしていたので、距離感は近めのほうが得意ですね。
でも、そう思って演歌・歌謡の世界に飛び込んだのですが、飛び込んだら飛び込んだでアイドルとはぜんぜん違うことも。歌いながら客席をラウンドすると、奥様方から来ちゃう(笑)。「ケンちゃん、汗かいちゃって。私のハンカチ使って〜」と、気づいたら歌いながら汗を拭かれていたり、知らない奥さんに抱きつかれていたり(笑)。
【近藤】 アイドルとしてステージに立っているときは、憧れもあるし、礼儀や「触っちゃダメ」というルールを守らなきゃという人がほとんどだけど、距離感のはかり方がちょっとまた違うんだ。
【平松】 そうですね。憧れとかではなくて、孫というか(笑)。
【タケモト】 「かわいいね〜」と、わしゃわしゃしたくなるんですかね。
【平松】 だから、それを受け入れてみた瞬間に「僕もハグを返してみよう」と思って。同じようにハグを返してみたら、めちゃくちゃ盛り上がりました。それこそ、いつも応援してくださっている若い女性ファンの方々はどう思うのかなと心配したのですが、同じように盛り上がってくれましたね。
【近藤】 私もそうだったけど、若いときはヤキモチを妬いちゃいますもんね。でも、ちゃんとエンタメとして楽しんでくれているということですね。
【平松】 アイドルのときも、ソロのときも、どっちの自分も楽しんでいますね。
【近藤】 そんななか、セカンドシングルの発売もあるんですよね。
【平松】 7月9日(火)に、セカンドソロシングル『ア・ヤ・シ・イ・ネ』をリリースさせていただきます。すでに昨年10月に配信リリースはしていたのですが、カップリング付きのCDとして発売することになりました。
【近藤】 最近は配信が主流ですが、CDとして欲しいという方も多いですもんね。『ア・ヤ・シ・イ・ネ』は、どのような楽曲ですか。
【平松】 浮気がちな恋人を持ってしまった女性が、「あれ、なんでそんなに急に優しくしてくるの? おかしくない?」と思うことが続いていくのですが、結局やっぱりその人を愛してしまったという、複雑な迷いや葛藤を描く作品となっています。
【近藤】 この葛藤はあるあるですからね。ただ優しくされているだけなのに、その優しさを素直に受け取られへんというか、「裏があるんじゃないのか」と疑ってしまうんですよね。この曲が刺さる人は多いやろうなあ。
【平松】 僕も気持ちを理解したいので、ディレクションをしてくださった方に「これってどういう感情ですか」と都度確認して、感情を理解しながら楽曲制作をしました。たくさんの方に手に取っていただけるとうれしいです。
※ラジオ関西『Clip月曜日』2024年4月29日放送回より