「空飛ぶクルマ」ポスト大阪・関西万博の観光、災害時インフラ…パソナ、淡路島で飛行実験の意味は? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「空飛ぶクルマ」ポスト大阪・関西万博の観光、災害時インフラ…パソナ、淡路島で飛行実験の意味は?

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 総合人材サービス・パソナグループ(本社・東京都千代田区)は、兵庫県淡路市などと連携し、同市で「空飛ぶクルマ」の有人飛行実証実験を実施、実用化に向けた“モデルケース”を示した。

 「空飛ぶクルマ」は2025年大阪・関西万博の目玉とされている。100年に1度の移動革命につながると言われ、政府は、大阪・関西万博に向けた取り組みをまとめた「アクションプラン」の中で、「空飛ぶクルマ」を遊覧飛行や移動手段としての活用を目指しており、最先端のモビリティー(乗り物)技術を実証するのが狙いだ。
 実験は2024年3月、万博開幕まで1年と迫る中行われた。

「空飛ぶクルマ」 淡路島での有人飛行実証実験<2024年3月10日 兵庫県淡路市>
飛行距離600メートル(300メートルを往復)、地上20~40メートルの高さまで上昇し、最高速度は時速25キロ、飛行時間は4分6秒だった

 大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は2023年2月、「空飛ぶクルマ」の運航事業者として、国内航空会社やアメリカのベンチャー企業を含む4グループ・5社を選定した。
 選ばれたのはANAホールディングス(全日空)、JAL(日本航空)、トヨタが出資するアメリカのベンチャー企業「ジョビー・アビエーション」 、国内で空飛ぶクルマを開発する「スカイドライブ」(愛知県豊田市)、大手商社・丸紅。
 万博会場となる大阪市此花区の人工島・夢洲の離着陸場(バーティーポート)の運営はオリックスが担当する。
しかし、一部の事業者は機体の開発が思うようにいかず、万博開催期間中、客を乗せずにデモンストレーションにとどめる意向を示している。

 パソナグループは、大阪・関西万博で“いのちありがとう”をテーマに、企業パビリオン「PASONA NATUREVERSE(パソナ・ネイチャーバース)」を出展する。また、淡路島へ本社機能の一部移転を進め、万博閉幕後、パビリオンを淡路島へ移設することが決まっている。
 同社は2023年11月、身体・心・社会的な健康を考える「Awaji Well-being Week(淡路ウェル・ビーイングウィーク)」を淡路島で開催、その一環として行われたスポーツの祭典「UNDOKAI WORLD CUP 2023」で、大阪・関西万博に向けた新産業の技術として「空飛ぶクルマ」を展示したのがきっかけで、淡路島での飛行実験が決まった。

「Awaji Well-being Week」で展示された「空飛ぶクルマ」<2023年10月28日 兵庫県淡路市>

 これに先立つ2022年2月には、兵庫県企業庁と同県淡路市が所有していた公用地「淡路市夢舞台サスティナブル・パーク」を買収。地域との連携により観光客誘致、災害時や救急医療でのインフラとしての活用につなげたいと、飛行実験にこの場所を提供した。

実証実験は、中国の新興企業・イーハン社製の機体(※1)を使用、パイロットではなく検査員2人が搭乗した。自動操縦遠隔操作による飛行は、関西で初の取り組みとなった。
 技術的検証(計測器で図ることのできない騒音の感じ方、機内の振動、乗り心地等の確認)を行い、飛行距離600メートル(300メートルを往復)、地上20~40メートルの高さまで上昇し、最高速度は時速25キロ、飛行時間は4分6秒だった。
当日は約300人がこの様子を観覧し、地元の人々が試乗体験にも参加、次世代モビリティに触れる機会となった。

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