就任から1年を迎えた兵庫県明石市の丸谷聡子市長が7日の会見で、「共創元年」をテーマに掲げた。
泉房穂・前市長の後継として指名され、昨年(2023年)4月の市長選で初当選した丸谷市長は、「子どもを核にした街づくり」「SDGs未来都市」など、泉房穂前市長の打ち出した路線を継承している。
泉氏と比較されることもあったが、「是々非々の立場を貫く」という姿勢を崩さなかった。
泉氏は現在、各メディアを通じてさまざまな意見を発信しているが、退任時に「私は今後の明石市政に口出しはしない」と述べており、丸谷市長も「泉前市長が作った土台に乗るだけでなく、今まで足りなかった部分を補うために、この1年取り組んできた。(泉氏と)連絡を取り、意見交換や相談することはない」と述べ、丸谷市政としてのスタンスを強調した。
そのうえで「明石市民30万6千人の幸せとは何かを考え、市長が誰であっても市政を先送りせず、最善の方向を見出している。この1年の点数は市民の皆さんが決めること。私自身、毎日毎日全力でやってきたのは間違いない」と振り返った。
職員に対しては、トップダウンから”ボトムアップ”方式の組織づくりや、「上からの目線ではなく、市民の目線を“ものさし”にした街づくり」という判断基準の徹底などに努めた。さらに「社会課題の解決には、インクルーシブに、ともに学びながら知恵を寄せ合う新しいリーダーシップのあり方が大切だ」とした。
就任直後には「市民とつながる課」を立ち上げ、毎月1回のタウンミーティングを通して市民と対話し、情報を共有する体制を作った。13回開催し、のべ703人が参加した(2023年5月~2024年4月 ※ただし2023年8月は2回開催)。
高齢者、障がい者、子育て世代といった幅広いジャンルで募り、子ども会議・若者会議など年代別のミーティングを経て現在は地域別で行っている。地域ごとに抱える課題は千差万別。「どう解決するかに(自身の)真価が問われる」と決意を新たにした。
このほか、「ごみ減量化」をテーマとした回については、市役所内の担当課からの要望が叶って実現。紙回収専用のリサイクルボックス設置につながり、ボトムアップの一端を示した。