姫路とお酒の関係は? 「GIはりま」って何? “酒の番人” 酒類指導官に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

姫路とお酒の関係は? 「GIはりま」って何? “酒の番人” 酒類指導官に聞く

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 兵庫県の西側、播磨地域と呼ばれるエリアは、実はお酒づくりが盛んなところであり、酒米の王者と呼ばれる「山田錦」の一大産地としても有名です。その一角を担う姫路市で造られるお酒の魅力や、日本酒の地域ブランド「GIはりま」について、“酒の番人”である酒類指導官に、ラジオ番組のなかで話を聞きました。

 姫路市の清元秀康市長がゲストを迎えて姫路の魅力について語るラジオ番組『ヒメトピ558』(ラジオ関西)に出演したのは、姫路税務署酒類指導官の佐々木友和さん。お酒のプロが、姫路とお酒の関係やGIはりま、姫路で近年盛り上がりを見せる地ビールについて、次のように説明しました。

姫路税務署酒類指導官の佐々木友和さん

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○姫路は酒造りに適した地域

 おいしいお酒を造るには良い米と良い水が必要不可欠。姫路市を含む播磨地域には「播磨五川」と呼ばれる加古川、市川、夢前川、揖保川、千種川が流れ、それらは良質な伏流水を運んでいます。それとともに、肥沃な平野部が、山田錦や兵庫錦、兵庫夢錦といった日本酒造りに適した米を育んでくれます。つまり、お酒造りにとても好条件な地域なのです。

 そのなかで、姫路市内には8つの酒蔵があります。揖保川沿いには、下村酒造店、ヤヱガキ酒造、本田商店。夢前川沿いには、壷坂酒造、田中酒造場。市川沿いには、神崎酒造、名城酒造、灘菊酒造。それぞれ個性の違いがありますが、総じて味わい深く素晴らしいものとなっているので、ぜひお気に入りの銘柄を探してみてください。

○GI制度と「GIはりま」について

「GI」というのは、”Geographical Indications”の頭文字をとった言葉で、地理的表示、つまり地域の共有財産である「産地名」の適切な使用を促進する制度です。

 例えば、「シャンパン」という表示は、フランスのシャンパーニュ地方で造られた一定の基準を満たす発泡性ワインのみが許されているもので、それ以外の発泡性ワインは「シャンパン」と名乗ることができません。

 そのように、お酒は、その産地ならではの特性が確立されています。日本では、産地からの申し立てに基づき、国税庁長官の指定を受けることで、産地名を独占的に名乗ることができます。産地にとっては、地域ブランド確立による「他の製品との差別化」が、消費者にとっては一定の品質が確保されていることによる「信頼性の向上」という効果があります。

「GIはりま」の「はりま」とは、姫路市を含めた13市9町からなる地域。22市町は播磨広域連携協議会として、「GIはりま」の創設にも深く関係しています。「GIはりま」の特徴は、非常に原料にこだわった日本酒ということ。原料に使用する米と米麹は兵庫県産の山田錦のみ。さらにその山田錦は兵庫県条例に基づく審査済みである種子から栽培したものに限られます。これは現在のGI制度の中で「GIはりま」のみが有する特徴です。製造に使用する水も「はりま内で採水した水」に限定され、糖類等を原料に使用することが禁止されています。

 これらの厳しい条件で造られた「GIはりま」の日本酒は、総じて口当たりは柔らかく、優しい丸みがあり、苦み渋みが少ない繊細なコクと、豊かな香味のふくらみを有しています。兵庫県産山田錦を麹に用いることで、心地よい酸味が付与され、後味が軽快なお酒となります。「GIはりま」の対象商品については播磨広域連携協議会のホームページで紹介されています。

○姫路の地ビールについて

 地ビールというのは酒税法上の用語ではなく、一般的には小規模な製造場で造る個性的なビールや発泡酒のことを指し、クラフトビールとも呼ばれます。

 発泡酒にする必要があるのは、地ビールが地元の特産品を使用しているなどの特徴を有していることが関係します。

 酒税法上では、ビールに使用できる原料は、麦芽、ホップ及び水並びに一定量以下の果実などに限られており、イチゴやミカンなどの果実を大量に使用したビールを造った場合、実は酒税法上は発泡酒に該当するのです。このような発泡酒では純粋なビールでは表現できないフルーティーな香りと味わいが楽しめるのだそうです。つまり、メーカーごとに多種多様な味わいが楽しめるのが地ビールの特徴です。

 姫路市内にも地ビールメーカーが4つ存在します。姫路駅近くにある姫路鳩屋麦酒(ヒメジハトヤビール)、FREE SPIRITS BREWING(フリースピリッツブリューイング)、KOGANE BREWERY(コガネブルワリー)と、英賀保駅近くにあるEgret Brewery(イーグレブルワリー)です。いずれも日本酒に負けず劣らずの素晴らしい地ビールをつくっています。

(以上、佐々木さんのお話より)

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