今春、「木造阿弥陀如来及両脇侍像」(もくぞうあみだにょらいおよびりょうきょうじぞう)が、神戸市の指定有形文化財に認定された、兵庫区の能福寺。兵庫大仏でも有名な同寺の歴史について、雲井雄善住職に話を聞きました。
能福寺は、伝教大師・最澄が唐から帰った805年、兵庫の津に上陸。ありがたい話を聞きたいと集まった民衆に話をするために作られました。
奈良、鎌倉と並んで“日本三大仏” (※)として知られる兵庫大仏は、神戸港開港後の1891(明治24)年に建立。高い建物がなかった当時は、離れた場所から大仏を見ることができたそうです。しかし、第二次世界大戦中の1944(昭和19)年、金属回収令によって国に供出(きょうしゅつ)することに。現在の大仏は、初代大仏を内包する形で1991(平成3)年に再建されました。(※日本三大仏については諸説あり)
戦争による被害は大仏だけでなく本堂にもおよび、神戸大空襲で焼失した本堂は泉湧寺(京都)より寄贈されました。そして、このたび神戸市の指定文化財となった「木造阿弥陀如来及両脇侍像」は、1953(昭和28)年に太山寺(神戸市西区)からゆずりうけ、本尊となりました。
能福寺にはほかにも、国指定の重要文化財である「木造十一面観音立像菩薩」、平清盛の800年忌を機に完成した「平相国廟」、日本最古となるジョセフ・ヒコの英文碑、神戸駅や湊川神社の土地を寄贈した北風正造をしのぶ伊藤博文書の石碑など、歴史的に重要な文化財が数多く並びます。
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●神戸市、文化財を守る取り組み ふるさと納税で支援も
神戸市は、能福寺「木造阿弥陀如来及両脇侍像」をはじめとする市指定の文化財だけでなく、国・兵庫県指定のもの、さらに、未指定のものを含めて、市内の重要な文化財を「神戸歴史遺産」として保護し、将来へ伝える取り組みを行っています。
神戸市文化スポーツ局文化財課の中谷さんによると、未指定文化財のなかで「神戸歴史遺産」としてこれまで認定されたものは、14件。今年2月の第3回認定で、水車小屋跡(東灘区住吉川)、旧松森医院(北区)、白川大歳神社(須磨区)、旧寺西家住宅(垂水区五色山)の4件が追加されました。「神戸歴史遺産」の数々はホームページで公開されており、同市のふるさと納税では保存や修復を支援できるとのことです。
※ラジオ関西『サンデー神戸』5月12日放送回より
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