神戸に潜む「外国人不法就労」の実態 偽造在留カード、賃金ピンハネも… 生田警察署・外事課が動く! | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸に潜む「外国人不法就労」の実態 偽造在留カード、賃金ピンハネも… 生田警察署・外事課が動く!

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 大都市を中心に外国人による不法就労、不法滞在という深刻な問題を抱えている。

 出入国在留管理庁によると、2024年1月1日現在、日本国内での不法残留者数が7万9113人にのぼり、前年より12%増加している(2023年は7万491人)。

 新型コロナウイルス感染拡大による入国制限が、一定程度緩和されたことも影響したとみられ、これに比例して不法残留者数も増加傾向にある。

全国的に不法残留の外国人が増加 新型コロナウイルス感染拡大による入国制限が緩和されたことも影響(画像は神戸市街地)
大阪市内

 国籍・地域別で最も多いのがベトナム(1万5806人 前年比+2098人)、タイ(1万1494人 同+1945人)、韓国(1万869人 同+361人)、中国(6881人 同+99人)などアジア系に集中している。

 不法滞在者とは、正規の手続きで日本に入国したものの、在留できる期間を超えて日本に滞在している不法残留者や、偽造旅券などを使用して不法に入国してきた不法入国者を指す。

 こうした、手段の異なる外国人不法滞在者のグループが、日常社会に潜んでいる。

 神戸の玄関口・三宮では、東門街などの繁華街が、コロナ禍前のにぎわいを取り戻しているが、「人手不足」という深刻な現実も抱え、不法滞在者による不法就労の温床になりかねない危険性もある。

 これらの地域を管轄する生田警察署(神戸市中央区)は、兵庫県内で最大規模。そして兵庫県警46署のうち唯一、外事課があり、日夜この問題に取り組んでいる。藤田裕之・外事課長に「不法就労、不法滞在」の実態とその対応について聞いた。

◆不法滞在で就労する外国人にとって、日本での労働対価は「割がいい」のか?
 ~検挙した不法滞在者の大半は、「日本で働いてお金を稼ぐために不法滞在していた」と供述している。在留期間を越えて日本に不法残留したり、「偽造在留カード」を使用して身分を偽装したり、技能実習先から逃げてきたりと、状況はさまざま。これらが一連の問題の対象になっている。

◆日本は“人手不足”が深刻。さまざまなシーンで外国人労働者を目にする。繁華街の場合、特に飲食店で外国人を雇用する側は、具体的にどんなことに気をつければいいのか?
 ~大きな落とし穴は数多く潜んでいる。偽造在留カードや、在留カードのコピーを使用して身分を偽装する外国人が多い。
 事業者や雇用主のみなさんにお願いしたいのは、外国人を雇用する際には必ず在留カードやパスポートを確認していただきたい、という点。在留カードに記されている「就労制限の有無」という欄を見れば、働くことができるかどうかが確認できる。パスポートも同様で、日本に在留できる資格や在留できる期間が記載されている。実はこれらの確認を怠っているケースが多い。

神戸の玄関口・三宮など生田警察署管内の情勢を説明する藤田裕之・外事課長<2024年6月12日>

◆偽造在留カードを見破る手段は?
 ~法務省や厚生労働省のホームページに掲載された在留カードの見方を参考にすることもできるが、出入国在留管理庁のホームページから「在留カード等読取アプリケーション」をダウンロードできる。このアプリケーションで、在留カード等番号を入力し、在留カードのICチップを読み取り、読み取った画像とカードの記載内容を見比べると、簡単に偽造しているかどうかを確認できる(ただしその場合、必ず本人の同意を得てから使用のこと)。

在留カード等読取アプリケーション(参考 ※画像提供・法務省)

◆この記事の内容はラジオ関西ポッドキャスト【ニュースの景色】からもお聴きいただけます。
【ニュースの景色】はこちらをクリック ♯48 不法就労・不法滞在の実態は?神戸の中心・Ikuta Police Station(生田警察署)外事課が動く!」

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