『豊橋公園前』ではビザンチン様式の美しい外観をもつハリストス正教会や、鉄櫓が再興された吉田城、そして市民のオアシス・豊橋公園もぜひ訪ねてみてください。
『東八町』で国道1号から離れ、『前畑』を出ると急坂を登って『東田坂上』、そして安全地帯がない『東田』と住宅街を抜けていきます。
市内線の営業所のある『競輪場前』からは単線になって次の『井原』へ。ここで『運動公園前』行きを分岐するのですが、これがなんと日本一の急カーブ地点なんです。90度カーブは各地にありますが、ここは半径11メートルという狭さの中で曲がっていきます。台車が大きく線路から外れる様はなかなかの迫力。ちなみに私の乗ったT1000形「ほっトラム」は、車長の関係でこのカーブが曲がりきれないため『運動公園前』には行かず、直進して『赤岩口』に向かいます。
豊橋駅前から所要24分で市街の東端に位置する終点『赤岩口』に到着です。ここには車両基地があり、いろんな車両が留置されています。さらに車庫線の300メートルを使っての運転体験会(参加費5000円)も月1回のペースで開催され、モ780を使った夏のビール電車や冬のおでん列車も季節イベントとして定着しています。
2005年に名鉄の岐阜市内線が廃線となって以降、いまや東海エリアで唯一の路面電車となった豊橋鉄道・市内線。日中は7分30秒おきに走り、各地の路面電車が運転士不足などで減便している中、終電が午後11時50分という企業努力にも驚きました。沿線には歴史を物語る遺構も多く、豊橋市民球場もある「運動公園前行き」に乗ってぜひ【日本一の井原の急カーブ】も体感してみてください。(羽川英樹)