いま、閉店間際に流れる“あの”定番曲が変わりつつあることをご存じでしょうか? じつは、先月11日より国内約2900店舗のDAISO(ダイソー)で、閉店間際の音楽が『蛍の光』から新しい曲に変わったのです。その名も、『Good day 〜閉店の音楽〜』。
新定番にもなりうる曲について、企画を行った株式会社USEN(U-NEXT.HD)コンテンツプロデュース統括部の森角(もりずみ)さんに詳しく話を聞きました。

――制作のきっかけは?
【森角さん】 『蛍の光』は、日本人であれば多くの人が「そろそろ閉店だな」と感じるほど、閉店音楽として非常に浸透しています。ただ一方で、浸透しすぎているがゆえに退店を催促するような“強制感”を感じさせてしまうという側面もあるかと思われます。
また、近年インバウンドのお客様も増えているなかで、同楽曲は海外の人からは閉店の音楽として認識されていません。そこで、お客様に“強制感”を感じさせず、かつ海外の方々にも自然と閉店を感じてもらえるような音楽を新たに作るべく、プロジェクトがスタートしました。
――そもそも、なぜ『蛍の光』が定着した?
【森角さん】 もともと、『蛍の光』は『Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)』というスコットランド民謡を日本でカバーした曲です。日本では、卒業式や年末の某音楽番組のエンディングに使われるなど、“別れの曲”として古くから親しまれていたようです。
弊社が業務用BGMとして提供しはじめたのは、1977年のこと。以降、おもに小売店の閉店間際で使用されるようになり、徐々に日本全国に浸透していったと推測しています。
――どのようにして新曲を作った?
【森角さん】 まずは、閉店音楽に必要な要素を洗い出しまいた。早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所とともに、一般男女150名、DAISOの店員さん657名を対象に閉店音楽にふさわしい曲のイメージについて調査を行いました。
その結果、イメージとして多く挙がった「郷愁」「自然」「美しい」「落ち着く」「静か」をキーワードに、USENチームで制作したのが『Good Day 〜閉店の音楽〜』です。


