神戸市西区にある「BASARA VILLAGE GREEN(バサラヴィレッジグリーン、以下BVG)」。2021年に完成、2022年から本格的に稼働が始まった人工芝のサッカーコートは、兵庫県で活動するサッカークラブ「FC BASARA HYOGO」の練習拠点として活用されています。
「FC BASARA HYOGO」は、子どもから大人まで約400人が在籍し、トップチームは現在、関西サッカーリーグ1部に所属。また、ドイツ6部の「FC BASARA MAINZ」とも連携し、アカデミーで育った選手が世界に挑戦する環境づくりにも注力しています。そのなかで、BVGでは、小学生のスクール生、U12・U15・U18のアカデミーの選手たちも精力的に汗を流しています。
クラブ理事、スポーツダイレクターには、兵庫県宝塚市出身、神戸・滝川第二高校卒のサッカー元日本代表FW岡崎慎司さんが就任しています。2023-24シーズン限りで現役を引退したばかりの日本サッカー界のレジェンドストライカーは、引退後もアカデミーの子どもたちとの触れ合いでBVGに姿を見せれば、トップチームの試合にも帯同するなど、クラブでの交流を重ねています。また、2024-25シーズンからはFC BASARA MAINZの監督として、指導者キャリアをスタートさせます。
欧州などの海外ではグラウンドの横に喫茶店などがあり、チームに関係のない人も試合を見られるような環境がさまざまな場所にあるそうですが、そのような地域に集まれるコミュニティーを作りたいという岡崎さんの思いも込めてBVGが生まれたといいます。
そのコートの特色は、設備面にあります。日本で初めて、ピッチの下に雨水を貯水できるシステムを導入。真夏の人工芝は最高70度まで上がるとされていますが、この機能によって40パーセント、表面温度をカットできるそうです。
温度が下がることで子どもたちの健康や身体への負担を減らすことができます。土のグラウンドで練習するのが当たり前という少年チームも多いなか、人工芝で、照り返しのない少し湿った状態のピッチを維持できるため、練習面でも熱中症対策としても優れたグラウンドだといわれています。
ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)に出演した「FC BASARA HYOGO」マネージャーの大津さんによると、「(優れた人工芝のため)ボールがボコボコと上がるようなことがないので、目線を上げてプレーでき、練習の質はとてもよくなります」と効果をコメント。ただし、「逆に練習会場が良すぎて、土のグラウンドで試合をするときは苦戦することもよくあります」と、ピッチ性能のよさゆえの悩みも明かしていました。
今後、クラブとしては、BVGを地域に開放することも目指しているとのことです。
※ラジオ関西『Clip 木曜日』より