2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロの「ゼロカーボンシティ」を目指している兵庫県宝塚市が、家庭での省エネへの取り組み促進を目的に、一風変わったコンテストの実施を発表しました。
古い家電製品を見直し、省エネ家電へ買い替えるきっかけになればと、市が立ち上げたコンテストは、その名も、「宝塚で1番古いエアコンコンテスト」です。
市の担当者は、「住宅都市の宝塚市では、家庭における省エネの取り組みも非常に重要です。特に、家庭で使用されている家電製品の中でも、エアコンが夏冬に消費電力量が最も多いので着目しました」と、このコンテストを企画した意図を明かします。
日本のエアコンは日々省エネ性能が進化。まだ使えるからと、古いエアコンを使い続ければ、かえって電気代がかかってしまいます。
市によると、15年前のエアコンと最新型とを比べると、最新型では年間の二酸化炭素排出量が15パーセント程度削減され、年間電気代が5000円ほど安くなるとのこと。
宝塚市内の家庭で使用されている今も動いている家庭用エアコンを対象とする、今回のコンテスト。応募は宝塚市に住民登録を有している人の1世帯につき1台で、複数のエアコンが設置されている場合はその中で一番古いものを応募(処分)するのが条件となります。応募期間は9月2日まで。応募は、ネットか郵送で受け付け。応募方法などコンテストの概要は、宝塚市の公式ホームページ内、【宝塚市制70周年記念事業「宝塚で1番古いエアコン コンテスト」を開催します!】に掲載されています。
応募されたエアコンは、製造年の古いものから順位がつけられ、製造年の古さが同じだった場合は定格能力の大きいものが上位に。それでも並んだ場合は抽選で順位が決まります。
グランプリ・準グランプリ受賞者には、9月末までに市から通知があり、グランプリ受賞者には応募時と同規模の最新型エアコンが贈られます。取り付け費は特殊な作業を必要とする場合を除いて市が負担。なお、準グランプリへのプレゼントは人気のコードレス掃除機となります。
今回のコンテストには、すでに多数の問い合わせや応募があるとのことで、激戦必至の様子。「古い家電製品を大事に使うのも大切なことですが、省エネ家電へ買い替えることで、地球にもやさしくお財布にもやさしい暮らしができます。一度、ご家庭で使用されているエアコン等の家電製品の年式も確認してみてください」と市の担当者は呼びかけていました。
ちなみに市では平成30年度(2018年度)に冷蔵庫で同様のコンテストを行ったことがあります。そのときは312件の応募があり、グランプリを取ったのは1963年製造で廃止になったブランド「ナショナル」の冷蔵庫でした。今回、宝塚の家庭からはどんな古いエアコンが見つかるのでしょうか。
※ラジオ関西『Clip』2024年7月17日放送回「トコトン兵庫!」より
(取材・文=境祐貴)