台風被害から復活し、安村さんも入浴した河原風呂は三朝温泉の財産の一つです。誰でも24時間無料で入ることができますが、「その名の通り河原にある混浴の露天風呂ですので、どこからでも見えてしまいます」と森田さん。初めての人は困惑してしまいそうです。
森田さんいわく「初めての方はかなり勇気が必要だと思います。ただ、開放感は抜群です! 若い方が、入浴しているのはなかなか見かけませんが、地元のお年寄りが入っていますね。三朝温泉の象徴といえますから、ぜひ入ってみてほしいです」とのこと。それでもなかなか勇気が出ないという人には、河原風呂に併設された足湯がおすすめだそう。
そんな三朝温泉は、各旅館が地下源泉を保有しているのが特長です。旅館ごとに雰囲気にこだわった内湯や露天風呂、噴出する温泉の蒸気を吸う蒸気風呂など、趣向を凝らしていることが魅力につながっているようです。また、のどぐろ、かに、モサ海老、鳥取和牛などの豊富な山海の幸が、懐石料理や石焼など素材の味を引き出す料理として提供されるのも、観光客を呼んでいる要因と見られます。
森田さんによると、最近は円安の影響を受けて海外からのインバウンド客も増えているとのこと。そこで、今後の集客増に向けた新たな策の一つとして同温泉旅館協同組合が取り組んでいるのが、夏の打ち上げ花火です。しかも打ち上げるのは花火師ではなく、地元の各旅館のスタッフと地域に住む人たち。自ら打ち上げるために、それぞれが花火師の免許を取るという気合の入れようです。今年は7月29日(月)から、のべ15日間打ち上げられる予定です。
森田さんは、「日帰り入浴も可能ですが、ぜひ旅館に泊まって、おいしい料理と温泉をゆっくり楽しんでほしい。都会の喧騒を逃れて心の疲れをとってほしい」と話しました。
※1 鳥取県観光戦略課、調査/集計:統計課「令和4年観光客入込動態調査結果」(2023年8月8日発表)
※ラジオ関西『歌声は風にのって』2024年7月8日放送回より
【三朝温泉 夏 花火大会】
日程:2024年7月29日~8月2日、8月5日~9日、8月19日~23日 合計15日間
時間:20時25分~(約5分間)
場所:恋谷橋上流
主催:三朝温泉夏花火実行委員会