ガリバー像がそびえ、かつては大溝城もあった『近江高島』。儒学者・中江藤樹を生んだまち『安曇川』。高島市役所の最寄り駅『新旭』にも停車します。
そして、かつての江若鉄道の終点でもあり、湖西線の重要拠点が『近江今津』です。この駅で敦賀行の新快速は12両のうち後ろ8両が切り離されて、4両編成になりますのでご注意ください。今津には竹生島に向かう港や「琵琶湖就航のうた記念館」もあり、冬はスキー、夏は避暑でにぎわう箱館山も、この駅からアクセスします。
4両編成と身軽になって『近江中庄』を過ぎると、『マキノ』。カタカナだけの駅名はニセコやユニバーサルシティなど全国でも数か所しかありません。ここには2.4キロメートルにわたり500本が植えられたメタセコイヤ並木があり、四季折々に美しい景観を見せてくれます。また高木浜から知内浜まで1キロメートルに渡る美しい渚を持つ「マキノサニービーチ」にも夏は多くの水泳客が訪れ、春の海津大﨑の桜の人気スポットです。
『マキノ』を過ぎると長浜市に入り、のどかな風景が広がる中、湖西線で一番乗降客の少ない『永原』に停車。
長い城山トンネルを抜け、右から米原方面からの北陸本線が寄り添ってきたら、滋賀県最北端で湖西線の終点『近江塩津』。京都から新快速で約50分での到着です。この駅で北陸本線・琵琶湖線経由の新快速・姫路行と接続します。
一方、新快速・敦賀行はこのあと北陸本線に入って走っていきます。敦賀から姫路まで福井・滋賀・京都・大阪・兵庫と5府県をまたぐ新快速は全国でも貴重な存在ですよね。
京都や大阪のベッドタウンでもある湖西地区の足として、自然豊かなリゾート地へのアクセスとして、走り抜けて半世紀。今や湖西線は、新快速や普通列車、そして1日25往復の特急サンダーバードや貨物列車も走り、関西と北陸とを結ぶ短絡重要路線としてもしっかり機能しているんです。(羽川英樹)