大手飲料メーカーのアサヒ飲料が、いま、自動販売機を通じてCO2削減の取り組みやサンゴ礁保全の活動を行っています。このたび担当者がラジオ番組にゲスト出演し、取り組みの様子や活動への思いなどを語りました。
ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』にゲスト出演したのは、アサヒ飲料株式会社未来創造本部CSV戦略部の菅沼剛(すがぬま・たけし)さん、峯澤和裕(みねざわ・かずひろ)さんです。
「アサヒ飲料としてCO2を削減することをなにかビジネスにつなげられないかというミッション」を進めている菅沼さんたち。そこで着目したのが、同社の重要な販売場所の1つである自動販売機でした。
自動販売機にCO2を吸収する特殊な素材を内蔵させることで、自動販売機の稼働とともにCO2も回収できるという、その名も「CO2を食べる自販機」を展開し、CO2排出量削減、脱炭素の取り組みを行っています。「全国に百数十台ほど設置し、今年500台に拡大しようと取り組んでいる」(菅沼さん)。さらに回収したCO2を循環させるため、コンクリートやアスファルトの原料の一部にCO2を吸収した素材を混ぜ、工業原料への活用なども進めているそうです。
その「CO2を食べる自販機」の取り組みが、このたび、沖縄のサンゴ礁保全活動にもいかされることになりました。
アサヒ飲料は、一般社団法人伊良部島環境協会とともに、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2吸収材を活用したサンゴ移植の実証実験を7月上旬から沖縄県の伊良部島で開始することを、今月4日に発表しました。
「サンゴを移植するときの基盤にコンクリートブロックやモルタルブロックが使われていると知って、そこに弊社のCO2を吸収した後の吸収材を混ぜられるのではと。混ぜることでカーボンネガティブ(温室効果ガスの排出量より吸収量が上回る状態)に寄せ、基盤を作る際も環境に良い方向に持って行けるのではと思いました」と、峯澤さんは活動の概要を述べます。
同番組のパーソナリティーであり、伊良部島環境協会の理事長を務める環境活動家の林歳彦氏は、「もともとサンゴは満月の前後、大潮の時に産卵し、生まれた卵は通常『岩礁』という岩場に活着して、そこで育ってサンゴ礁になっていく。その土台となる岩礁を担うのが、『CO2を回収する自販機』から作られた吸収材(サンゴ移植ブロック)であり、今回それをアサヒさんから提供いただいた」と、今回の協業についてコメントします。