子宮頸がんにかかりやすいのは20代~40代前半の女性で、子育て世代の女性を襲う「マザーキラー」と呼ばれている。高橋医師は、自身が担当した若い母親がホスピスに行った例を挙げ、「『(子どもの)中学の卒業式までは生きたい』『修学旅行のバスの見送りをするのが目標』と語った人もいた。ワクチンを打ってさえいれば、そういった悲しみやつらさのない世界にいられたのではとよく考える」と語り、未来の医療者らに向けて「いっしょにHPVワクチンについての正確な知識を広めてもらえたら」と呼び掛けた。
聴講した同大学看護学科4年の女子学生(21)は、キャッチアップ接種世代。HPVワクチンに関する報道の影響で、これまで接種を迷っていたという。「どの情報を信じれば良いのかと悩んでいた。受けるかどうかを自分で決めようと思ってこの講義に参加した」と明かし、「お話を聞いて接種のメリットが高いと分かった。ぜひワクチンを受けたい。将来、看護師になって患者さんに相談されたら、今日知った内容を答えたいです」と話した。