大阪・中之島にある「大阪市立科学館」(大阪市北区)が35年ぶりとなる展示場全体の改装を経て1日、リニューアルオープンした。「本物・実物・生の現象」にこだわった構成で、科学を身近に感じられる展示物がさらに充実。夏休み中の親子連れが楽しく学び、自由研究のヒントも見つかる絶好のスポットとなりそうだ。
大阪市立科学館は、日本初の科学館「大阪市立電気科学館」(1937~1989年)を前身とし、1989年に開館した。地下1階から地上4階までを使った科学にまつわるさまざまな展示のほか、本格的なプラネタリウム施設、目の前で実験を行う「サイエンスショー」などが人気を集め、多い年は約70万人が来場。改装に伴い昨年11月から休館し、整備が進められてきた。
リニューアルの目玉は、1階のワークショップスペース。同館スタッフと会話しながら科学体験ができる場で、交流を通して気軽にサイエンスに触れてもらおうとのねらいだ。【※ワークショップスペースは、開館後しばらくは企画展「日本の科学館は大阪から」で主に使用】
2階では「ボールがころがる」「鏡にうつる」「風がふく」「音がなる」「磁石にくっつく」をテーマに、身近な現象の不思議ポイントを体験でき、3階では物質を原子や分子、化学結合などの視点で分かりやすく紹介している。
4階にお目見えした、大阪の科学技術への関わりを特集したコーナーも興味深い。大阪の科学史をたどる資料のほか、大阪市立電気科学館時代の展示物の再現、物理学者・湯川秀樹さんの直筆原稿(写し)、同学者の南部陽一郎さんが来館した際に書いた色紙なども見ることができる。
記念式典で吉岡克己館長は、「ここから科学を好きになる人が育っていく、そんな施設に発展させたい」と話した。