暑い夏。海やプールに泳ぎに行く季節です。酷暑な今年、私もすでに何度も行っています。
海やプールに行ったとき、皆さんが水着やタオルを入れて持ち歩いている水泳バッグ(プールバッグ)を見ていたら気がついたのです。なんか、透明っぽいバッグが多いな、と。
純粋に透明なもんもありますが、黄色やブルー、オレンジなどのカラフルな色つきスケルトンのものとか、透明に色つきボーダーのもの、ほかにも透明素材にキャラクターがデザインされたものなど、さまざま。
確かに、透明のこのバッグは“夏のもの”というイメージがありますし、涼しそうに見えるという点もあるからでしょうか?
でも、中身が見えて恥ずかしかったりもしますし……。「なぜ透明バッグが多いのか?」「透明にする理由ってある?」という疑問から、水泳バッグを作っているメーカーに話を聞いてみました。
「じつは、私も色つきスケルトンの水泳バッグを使っていますよ」と話すのは、メーカーでデザインを担当している女性の方。彼女いわく、そのメーカーが作っている水泳バッグのほとんどが透明のデザインなんだそう。
同メーカーが透明の水泳バッグを作りはじめたのは、昭和の高度経済成長期あたりのこと。濡れた水着やタオルを持ち運んだり、泳いで体についた水滴や汗がバッグに付着すると、耐久性が悪くなります。
そこで選ばれたのが、水に強い素材として知られるPVC素材(ポリ塩化ビニル)。こちらは耐水性も抜群ですから、水泳バッグの生地として使うようになったのだといいます。
さらに、PVC素材は安価で作ることができるということもあり、同メーカーだけでなく他社さんでも「水泳バッグならこれ(PCV素材)」と一斉に作りはじめたんやそうです。
当時、PVC素材でできた生地のほとんどが透明や半透明で、そこに独自のデザインを加えて販売したところブーム的に売れ、世の中に多く出回るようになりました。
「そこから“夏のプールや海に持っていくなら、透明のPVCバッグ”というイメージが定着し、定番化したのでしょうね」と、説明してくださいました。
いまや、PVC素材以外の素材で作られた水泳バッグはたくさんあります。しかし、担当者さんいわく、「やはり今でも夏の水泳バッグといえば、透明や半透明のバッグが売れるんです」とのこと。