JR比叡山坂本駅あたりからは湖西線の高架下をひた走ります。このあたり景色は望めませんが、ちょうど日陰に入るため終盤の疲れた体にはもってこい。JR湖西線の大津京駅を通過し、大津市役所前の「とんかつの棹(たく)」で遅めのランチ。熟成豚をしっかり揚げた分厚いカツにキャベツピラミッド。窓の向こうを走る京阪石山坂本線の電車を眺めながら、そのうまさを堪能します。
エピローグは緑豊かな皇子山陸上競技場の横から、三井寺そばを流れる琵琶湖疎水(琵琶湖疏水)や、大津絵の道など、美しい風景の中を抜けて、再び観光船「ビアンカ」が迎えてくれる浜大津港へ。走行約50kmで無事到着。この夏、全くトレーニングなしでもこの距離なら完走できました。
今回もそうでしたが、私はいつもひとりで走っています。走行速度も休憩も食事も立ち寄りたい場所も、思いのままにできるのがストレスフリーだからです。
夏場のサイクリングで完走するには、充分な水分補給、適度な休憩、首の後ろを冷やす、自分に合ったサングラスの着用などが必須条件となります。
ちなみに、琵琶湖一周は「ビワイチ」といわれていますが、淡路島一周は「アワイチ」、浜名湖一周なら「ハマイチ」、そして小豆島一周は「まめいち」と呼ばれています。
ビワイチは、しまなみ海道などともに国内6か所のナショナルサイクルルートのひとつに選定される憧れのルート。全国各地からチャレンジャーがやってきます。
しかし、いきなり200kmはなかなかの距離。そこで、まずは今回ご紹介した南湖一周50kmから始めてみて、自分の体力を見極めながら、琵琶湖の大きさを実感してみてはいかがでしょうか。(羽川英樹)