女子サッカー・WEリーグの2024-25シーズンが14日から開幕。3季ぶりの王座奪還を目指すINAC神戸レオネッサは、初戦でサンフレッチェ広島レジーナに1-1と引き分けました。この一戦のINAC神戸について、元なでしこジャパン(日本女子代表)の川上直子氏が、16日放送のラジオ番組で感想を語りました。
INAC神戸のホーム・ノエビアスタジアム神戸で行われた試合では、キックオフ直後、INAC神戸がいきなり先制。新加入のスペイン人FWカルロタ・スアレス選手が、ハイプレスで相手GKからボールを奪い、そのままゴールを記録。いきなりリードを奪います。
ただし、その後はなかなかシュートまで持ち込めず。広島の反撃にあうと、試合終了間際の90+1分、相手のフリーキックからヘディングシュートでゴールを決められ、土壇場で失点。そのまま終了し、勝点1を分け合う形となりました。
この試合について、カルロタ・スアレス選手のリーチの長い足をいかしたプレスからのゴールを評価した川上氏。しかし、チームの戦いについては、「90分通して多彩な攻撃ができたかというと……なかなかパスが合わなかった場面もあった」と、課題を感じたといいます。実際にシュート数では、INAC神戸の3本に対して、広島は9本。攻め手を欠いた状況がデータにも現れていました。
一方の守備面について、INAC神戸は今回の広島戦で、左サイドバックに土光真代選手を置く4バックを採用。これについて、相手のなでしこジャパンMF中嶋淑乃選手らスピードある選手を警戒したものだったのではという川上氏は、「左の中嶋選手のところは(対面の)守屋(都弥)選手がうまく抑えていた」とコメント。サイドでのなでしこ同士の攻防は非常に見ごたえあるものでした。
終盤の失点シーンについては、「フリーキックからピンポイントであわされた形だったが、あそこだけはマークをうまくつけていなかった。マークの受け渡しがあったのか、だれかがついてくはずだったのかはわからないが、(ゴールを決めた選手を)フリーにさせてしまった」と解説していました。
悔しい勝点1に終わったINAC神戸ですが、川上氏いわく、光明も。今回先発したFW愛川陽菜選手のプレーには成長のあとがあったようで、「昨シーズンの終盤などはちょっと迷っているプレーも見られたが、判断スピードも上がってきて、自分がやらないといけないことなど、自分のなかではっきり整備できてきているんじゃないかなと思った」と20歳のアタッカーを称えていました。