秋は台風が発生しやすい季節。災害への対策を万全にするためにも日ごろからの情報収集が大切となってきますが、ニュースを見ていると疑問に思うことも。たとえば台風の番号や名前。これらは、一体どのように決められているのか気になったことはありませんか?
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【台風の番号の付け方】
気象庁のホームページによると、「気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけています。なお、一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けます。」とのこと。今年は、5月に発生した最初の台風が1号となり、12月31日まで番号が加算されていくことになります。
【台風の名前の付け方】
2000年から、日本を含む14カ国等が加盟する『台風委員会』で、管轄の領域(北西太平洋と南シナ海)で発生する台風を対象に、下記を目的として名前が付けられています。
●国際社会への情報に台風委員会が決めた名前をつけて、利用してもらうことで、アジア各国・地域の文化の尊重と連帯の強化、相互理解を推進すること
●アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めること
(気象庁ホームページより)
台風の名前は140個用意されており、一巡すると最初に戻ります。2000年の台風1号に付けられた「ダムレイ」(カンボジアで『象』の意味)から始まり、現在でも用意されたリストから順番に名前が付けられています。
【日本発の名前】
リストには、日本の名前も含まれており、星座名に由来する10個(コイヌ、カジキ、トケイなど)を提案しています。星座名を提案した理由として、下記理由が挙げられます。
●特定の個人・法人の名称や商標、地名、天気現象名でない「中立的な」名称であること
●「自然」の事物であって比較的利害関係が生じにくいこと
●大気現象である台風とイメージ上の関連がある天空にあり、かつ、人々に親しまれていること
(気象庁ホームページより)
他にも、文字数が多過ぎないこと(アルファベット9文字以内)、音節が多くなくて発音しやすいこと、他の加盟国・地域の言語で感情を害するような意味を持たないことなど、アジア名として採用するには条件がいくつもあるそうです。
また、リストから名前を付けるだけでなく例外もあるそう。「台風のアジア名は繰り返して使用されますが、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会の加盟国・地域からの要請を受けて、そのアジア名を以後の台風に使用しないように変更することがあります。また、発達した熱帯低気圧が東経180度より東の領域から、または東経100度より西の領域から北西太平洋域に進入してきた場合には、各領域を担当する気象機関によって既に付けられた名前を継続して使用します」(気象庁ホームページより)
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台風の名前を調べてみると、アジア文化の尊重を目的としていることや、人々に親しまれていることを条件にしているなど、興味深い事情があることが分かりました。
※ラジオ関西『Clip水曜日』2024年9月24日放送回より
※気象庁ホームページより引用