SNSの総フォロワー数約30万人で、昭和のカルチャーを発信しているZ世代の“ネオ昭和”アーティスト・阪田マリン。彼女を中心としたネオ昭和歌謡プロジェクト「ザ・ブラックキャンディーズ」が、昭和99(令和6)年9月9日に2作目となるデジタルシングル『青いたそがれの御堂筋』をリリースした。
昭和にタイムスリップしたようなネオ昭和テイストの楽曲のコンセプトやMVの制作秘話について阪田マリンに聞いた。
―――タイトル「青いたそがれの御堂筋」に込められた意味は?
【阪田マリン:以下、阪田】 御堂筋(※1)って、冬は街路樹がキラキラ青色にライトアップされてるんですよね。リリースは夏なんですけど(笑)本当はそれをイメージして楽曲を作ろうと思ってたので、このタイトルになりました。(※1 みどうすじ:大阪のメインストリート。大阪の2大中心地、梅田となんばを結ぶ)
―――どのようなコンセプトで作られたのですか?
【阪田】令和ポップ×昭和歌謡のニュージャンルがコンセプトです。昭和を感じさせるだけではなく、令和の空気感も入れて完成させました。これを「ネオ昭和歌謡プロジェクト」と呼んでいます!
―――作詞にも参加されたとのことですが、こだわったポイントは?
【阪田】 (恋人に)振られて御堂筋を歩いている女性が実際に浮かんでくるような歌詞にしたのと、プロデューサーからの提案で何か仕掛けを作ろうとなって、色々な昭和の名曲タイトルを散りばめたところですね。単語と単語をつなげて歌詞にするのが難しく、そこは苦戦しました。
―――曲の中でお気に入りの部分は?
【阪田】 そうですね……やっぱりサビの部分が好きです。「これはあのオマージュじゃん」とか「あのタイトルじゃん」と思ってもらえるように、うまく歌詞をつなげられたと思います。
―――今後このような題材で曲をつくってみたいといった展望はありますか?
【阪田】 デビュー曲が『雨のゴールデン街』で2曲目が『青いたそがれの御堂筋』という感じで、地名がタイトルに入っているんですよね。なので、次は(静岡の)熱海の街を題材にするとか……地名シリーズで作ってみたいなって思ってます。
―――マリンさんがセルフプロデュースされた『青いたそがれの御堂筋』のMVも、昭和の香り漂う個性的な作品です。こだわったポイントは?
【阪田】 大阪芸術大学(阪田の母校)時代の友人であるりんたろうJr.さんと一緒に考えたんですが、画質が良くなりすぎないように昔のカメラで撮ったり、思いっきりコケるシーンなど“昭和のドラマのベタな展開”を繰り広げたりしたこところ。あとは、昭和の特撮をイメージした「ショッカー」(仮面ライダーシリーズに登場する悪の組織)に見立てた2人が敵役で出てくるシーンなどですかね。
―――MV内では数回衣装チェンジしています。この昭和な衣装はマリンさんの私物ですか?
【阪田】 すべて自前です! 赤の衣装は、ラジオ関西の先輩である田名部真理さん(タレント、ラジオパーソナリティ)からいただいたもの、他も自分で用意したものです。