最後に、「シュッ!」と言いながらパンチをしてみますと、これも同様に力が入り、スピードも少し上がりました。
トレーナーさんに、「同じ声を出すのでも『ウッ!』とか『カッ!』よりも、『シュッ!』のほうが楽にパンチが出せませんか?」と問いかけられたのですが、言われた通り、「シュッ!」のほうがスッと軽くナチュラルにパンチが出せますね。
ボクシングは長いラウンドを闘うわけですから、スタミナ勝負です。「ウッ!」とか「カッ!」とか言いながらパンチを出していたら、力みが強くてスタミナロスになってしまうんです。
防御面においても、口を開けるように息を吐いていると、パンチをくらったときのダメージがきついんだそう。なので、なるべく口を開けない形で出せる「シュッ!」が都合がいいんです。
それに、「シュッ!」と言うと自然とお腹に力が入るんです。お腹に力が入って固くなる。そう、ボディ防御にもなるので、理にかなった素晴らしい呼吸法としてボクシング界では世界共通なのだと説明してくださいました。
トレーナーさんは最後に、「でもね、いまやボクシングでは『シュッ! シュッ!』とやるのが当たり前になっていて、うちのジムにいるプロボクサーでも意味を知らずに『シュッ! シュッ!』と言いながら世界を目指してますわ」と笑ってはりました。
※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年10月12日放送回より
(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)