10月27日に投開票される衆議院選選挙の争点となっている「政治とカネ」。
自民党は公約に、党幹部に支給され使途公開不要の政策活動費に関し「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」と明記した。
野党からは政治資金規正法の再改正や、政策活動費の廃止、政治家本人の罰則強化などが挙がっている。
自民党の裏金問題に関与した前職議員らは、地元を行脚して有権者に理解を求める。
こうした中、自民党から非公認となった西村康稔・前経済産業相(61・兵庫9区)と三ツ林裕巳元内閣府副大臣(69・埼玉13区)が公明党の推薦を受けることになった。
西村、三ツ林両氏はこの問題で、自民党から1年間の党員資格停止、三ツ林氏は1年の役職停止の処分を受けている。
公明党は、政治資金報告書に不記載があった候補者を推薦する条件に、地元の公明党員らへの説明、選挙協力への貢献などを挙げていた。
本来、非公認者は自民側から要請がないため推薦を見送る方針だったが、西村、三ツ林両氏からは個別に依頼があり、党内で検討した結果、推薦条件を満たしていると判断したという。
西村氏の選挙区は兵庫9区。同県明石市と淡路島にある洲本、南あわじ、淡路の3市が該当する。
ほかに日本維新の会から加古貴一郎氏(61・新人)、立憲民主党から橋本慧悟氏(35・新人 兵庫県議からくら替え)、共産党から高田良信氏(78・新人)が立候補を表明しており、激しい選挙戦が予測される。
このうち、橋本氏は2023年4月の県議選で前兵庫県明石市長・泉房穂氏が立ち上げた政治団体「明石市民の会」から出馬し、新人で3万2千票あまりを得て明石市選挙区でトップ当選した。
衆議院選挙を目前に取材に応じた西村氏は、一連の問題について、「(有権者の皆さんに)丁寧に説明を重ねていきたい」と話した。
2003年以降、連続当選7回。安倍晋三内閣で官房副長官、経済再生担当相を経て旧安倍派幹部の一人となった。しかし政治資金問題が発覚。
旧安倍派としては、過去5年間で6億7000万円以上にのぼった。
西村氏に関する不記載額は100万円で、派閥の事務総長経験者として党員資格停止1年となった。
西村氏は政治資金問題について、2つの責任があったと振り返った。
「1つは(自身の)事務所への還付(キックバック)について把握していなかった点での監督責任。そして所属する旧安倍派(清和会)事務総長を務めていた際の対応について。私が還付や収支報告書への不記載を指示したり、了承したということはないが、安倍氏が生前、『還付の仕方は問題あるからやめた方がいいのでは』と提案し、了承されたという方向性をしっかりと伝えていれば」と反省の言葉を口にした。