『鶴亀福禄寿図平盃(つるかめふくろくじゅずひらはい)』(江戸後期[19世紀]個人蔵)は、直径9センチにも満たない盃。1ミリの間に9本もの線を描いています。写真では分からないすごさを、ぜひ会場で実見してください。作品後ろのバナーでは、部分を拡大して解説しています。
宮本屋窯の赤絵細描は、明治期に海外に高く評価された豪華絢爛(けんらん)なジャパンクタニ(輸出陶磁)の誕生につながり、現在もその系譜は九谷の地で続いています。写真だけでは見ることのできない宮本屋窯の高い技術力をぜひ会場で感じてください。
また10月20日(日)まで、丹波焼陶器まつり「秋の郷めぐり」も開催されています。展覧会と合わせてお楽しみください。
(兵庫陶芸美術館学芸員・村上ふみ)
◆「九谷赤絵の極致―宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門の世界―」
会場 兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4)
会期 2024年11月24日(日)まで
開館時間 10:00~17:00(入館は閉館時間の30分前まで)
休館 月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料 一般1200円、大学生900円、高校生以下無料
電話 079-597-3961(代表)、FAX 079-597-3967