斎藤元彦・前兵庫県知事のパワーハラスメントなど7件の疑惑に関する告発文書問題で、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」は10月24〜25日、関係者の証人尋問を非公開で行った。このうち25日に尋問を受けた片山安孝前副知事が報道陣の取材に応じた。
片山前副知事は、昨年(2023年)11月、金融機関への補助金を増額して、プロ野球優勝パレードの協賛金にキックバックさせ、県に損害を与えたとされる疑惑について、この日の百条委で「こうした(キックバックの)事実はない」と否定したという。
告発状によると、片山前副知事は2023年11月、兵庫県内の複数の金融機関に対する「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」の予算編成時に、補助金を1億円から4億円に増額し、見返りとして阪神とオリックスの優勝パレードへの寄付を要求したとされる。
パレードは、兵庫県、大阪府、経済団体などでつくる実行委員会が2023年11月23日に開催。県は当初、開催に必要な経費をクラウドファンディングで募っていたが、思わしくない状況だった。
片山前副知事からの報告を受けた斎藤前知事は、本来は不要な補助金を悪用し、優勝パレードへの寄付に充てさせたとしている。
片山氏への尋問は2度目。この日の尋問で、兵庫県内にある11の信用金庫に対し、協賛金集めをとりまとめるよう依頼したことを認めた。
その際、「(信金から)目安を示してほしいと言われ、『1信金あたり100万円、できれば200万円をお願いしたい』と話をした」と説明したという。ただ、「協賛金を集めることと補助金の増額に何ら相関関係はない」と述べ、改めてキックバック疑惑については否定した。