神戸市北区の神戸親和大学に、10月16日、5台の「EVトゥクトゥク」が導入されました。そのきっかけや、当日の学生の反応、今後の活用方法などについて、同大学の松田恵示学長に話を聞きました。
神戸親和大学はもともと、1966年に親和女子大学として開学。1994年に神戸親和女子大学に名称変更し、2023年の共学化にともなって、今の名称に。「男子が入学してくれたことにより、新たな部活動やサークルなどが生まれ、良い化学反応が起こっています。学内の明るく、元気な雰囲気がより地域の方々にも伝わっているのを感じています」と松田学長は話します。
来年(2025年)4月には大幅なカリキュラム変更も行われる予定の同大学。学生が地域の住民らと連携し、地元・神戸市北区の課題と向き合うことで、“より住みやすい街づくり“への貢献を目指すといいます。
その神戸市北区は坂道が多く、高齢者の人口も増加傾向。大学側には「地域の方々への二次交通として、学生たちが中心となって移動の手助けを担える日が来ることに期待したい」という思いがありました。
そこで、「SDGsや防災の面で重宝されて、手軽な『EVトゥクトゥク』を材料に、学生にいろいろと企画してもらって解決策を見つけるという案が生まれました」と、松田学長。新たな電動マイクロモビリティに着目した経緯を語ります。
実現に向けて、まずは教職員同士でチームを作り、プロジェクトに賛同してもらえる企業を探すところからスタート。大学の思いに手を挙げる企業がなかなか見つからず、苦戦していたところ、東京に本社を置く電動モビリティの企業、株式会社ビークルファンと出会ったそうです。話し合いを重ね、実証実験のために5台の「EVトゥクトゥク」の貸し出しが決まりました。
納車当日、学生たちは大学内に現れたEVトゥクトゥクを見てとても盛り上がっていたそう。およそ2時間にわたって行われた試乗会にも長蛇の列ができました。また、大学のある北区鈴蘭台の街を走っている姿を見て、地域の住民も驚いていたようで、学内外問わず注目されています。
同大学では、EVトゥクトゥクを通じて“学び”も広げていきたいといいます。様々な企業と「移動支援」に関する課題と向き合っていくために、大学側から様々なアプローチを行っている最中とのこと。さらに、将来的には学生が起業して販売する立場になったり、活用する組織を生成することもできたりするなど、その可能性は無限大と言えるかもしれません。