アメリカでも花開いた印象派 多様で豊かな広がり、ウスター美術館名品でたどる あべのハルカス美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

アメリカでも花開いた印象派 多様で豊かな広がり、ウスター美術館名品でたどる あべのハルカス美術館

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 2024年は「印象派」という言葉が生まれてから150周年。フランスに現れた印象派がヨーロッパ、アメリカ各地などへもたらした影響をたどる展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」があべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で開かれている。米ウスター美術館所蔵の日本初公開コレクションを中心とした、世界各地で花開いた印象派の魅力を存分に味わえるラインアップだ。2025年1月5日(日)まで。

アンデシュ・レオナード・ソーン《オパール》1891年油彩、カンヴァスGift of Marianne and John Jeppson, 1986.59 ウスター美術館所蔵/Image courtesy of the Worcester Art Museum

 印象派は19世紀後半にフランスに出現、第1回印象派展は1874年、パリで開催された。当時、大都市パリには各国から多くの画家が学びに来ており、印象派に触れた彼らは新たな表現手法としてその様式を自国に持ち帰った。

 アメリカ・ボストン郊外のウスターにあるウスター美術館は、1898年の開館当初から印象派の作品を積極的に収集、1910年代にはクロード・モネの「睡蓮」を美術館として初めて購入した。今展では、モネやルノワールなどフランス印象派、アメリカやドイツ、北欧、日本などの印象派作品約70点を紹介している。

クロード・モネ《睡蓮》1908年油彩、カンヴァスMuseum Purchase, 1910.26 ウスター美術館所蔵/Image courtesy of the Worcester Art Museum
展示の様子

 展示は5章立て。印象派の先駆けとなるバルビゾン派やレアリスム作品の第1章を経て、2章ではフランス印象派の画家らと直接交流を持ち、影響を受けたアメリカ人画家、メアリー・カサットやチャイルド・ハッサムの作品が並ぶ。そのすぐ横には、クロード・モネの「睡蓮」も展示。あわせてウスター美術館が「睡蓮」を収蔵した経緯が分かる手紙や電報も公開、睡蓮ファン必見のコーナーとなっている。

メアリー・カサット《裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル(母と子)》1902-03年油彩、カンヴァスMuseum Purchase, 1909.15 ウスター美術館所蔵/Image courtesy of the Worcester Art Museum
ウスター美術館が「睡蓮」を収蔵した経緯が分かる手紙なども公開

 鮮やかな色彩、大胆な筆遣いなどを特徴とする印象派は、急速に各地に広がっていったが、その多くは、フランスの様式にこだわったものではなく、それぞれ独自のアレンジが加わったスタイルだったという。第3章では印象派が国境を越えて波及したさまを、作品を通して追うことができる。日本でも1890年代初めにフランス留学から帰国した黒田清輝や久米桂一郎らによって、印象派の様式は持ち帰られた。だが伝播がやや遅かったため、さらに新しいポスト印象派などへ、注目はすぐに移っていったという。

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