【日本初公開】北斎の傑作《肉筆浪千鳥》など70件 細見美術館「美しい春画」展 18歳未満入場不可 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【日本初公開】北斎の傑作《肉筆浪千鳥》など70件 細見美術館「美しい春画」展 18歳未満入場不可

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 さらに、版画『浪千鳥』(1810~19年)、錦絵『富久寿楚宇(ふくじゅそう)』(同)=いずれも北斎作=も並べて展示、3作品を比較しながら鑑賞することができる。

葛飾北斎「肉筆浪千鳥」より(部分) 個人蔵【通期展示】

 喜多川歌麿の『夏夜のたのしみ』(1801~06年)も国内初公開。若く美しいカップルが夏の夜に戯れるさまを描いた同作は、横幅が1メートルを超える大型の掛軸で、どのようなシチュエーションで飾られたのかは不明。伊藤学芸員は「想像しながら見てもらえたら」と提案する。

 展覧会全体を通して興味深いのは、登場する人物が若く麗しい男女だけでなく、中年夫婦や高齢者、同性同士、外国人、神や異形のものなどバリエーションに富む点。そして、そのうちの多くが明るく、満ち足りた表情をたたえている点。また、行為を第三者がそばで眺めている描写が多々あること。性にまつわる価値観が多様で寛容、隠すべき事柄ではなく、生きる喜びそのものであったことが伝わってくる。

喜多川歌麿「夏夜のたのしみ」(部分) 個人蔵【通期展示】

 伊藤学芸員は「春画は、人物の美しさを追求した、美人画の1ジャンル。当代最高の絵師が贅(ぜい)を尽くして仕上げた、素晴らしい状態の作品をじっくり見てほしい」と呼び掛け、「絵の中には季節感や江戸時代の暮らしぶり、当時の人々の感覚など、見ているうちに読み解けていく要素もあり、奥深い。春画が初めてという人は、それら周辺を糸口として観賞してみるのも一手」と指南してくれた。

 11月24日(日)まで。18歳未満は入場不可。

◆「美しい春画―北斎・歌麿、交歓の競艶―」
会場 細見美術館
 (〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
会期 2024年9月7日(土)~11月24日(日)
休館日 月曜(祝日の場合、翌火曜)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料 2200円 ※18歳未満は入場不可
問い合わせ 同館075-752-5555

細見美術館 公式HP

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