棺桶の横で雀牌ジャラジャラ!? フィリピンの葬儀風景に垣間見る「国民性」と「国家事情」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

棺桶の横で雀牌ジャラジャラ!? フィリピンの葬儀風景に垣間見る「国民性」と「国家事情」 

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 世界各国さまざまなセレモニーが存在していますが、こと「お葬式」に関してはかなり個性が色濃く出るようです。日本における葬儀は「喪服に身を包み静粛に執り行うこと」が伝統とされていますが、フィリピンではその“真逆”とも言えるスタイルで執り行われるという情報が。実際のところどうなのか、フィリピン・セブを拠点にボランティア活動をおこなう「グローリアセブ」に詳しく聞きました。

観光地として海外から多くの人々が集まる国・フィリピンの葬儀スタイルについて調査

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 同団体によると「会場でゲームがおこなわれることもあります。時にはギャンブルが催されるケースも」とのこと。この葬儀でのギャンブル行為は“費用稼ぎのため”とまことしやかに言われているそうですが、すべての地域や家庭で根付いているわけではないそう。

「フィリピンでは遺体を墓地へと運ぶ前に、自宅または近くの集会場で1週間以上安置します。その間は故人が寂しがらないようにと何人もの人が棺桶の前で食事やゲームをしています。その際に麻雀をしている人も多いため、葬式代捻出のためである……と捉えられたのかもしれませんね」(グローリアセブ) 

葬式で麻雀とは、日本人からするとなかなか衝撃的な風景……(イメージ)

 フィリピン人はギャンブル好きが非常に多く、イベントや行事に関係なくどのような場でもプレイをするそうです。スラムでは麻雀や闘鶏、ビンゴが人気。特に闘鶏は同国に古くから伝わる賭け事で、各地に闘鶏場があるほどの浸透ぶりなのだとか。

「お葬式の費用を捻出する・しないに限らず、フリークにとってギャンブルは日常ごとなのです。貧困層になればなるほど賭け事を好む傾向がありますね。貧しい人々が暮らすスラムでは、遺族が葬儀の費用を出せないことも珍しくはありません。そのため、友人や親戚がお金を集め、遺族が葬儀を出せるよう香典(寄付)という形でお金を渡すというケースも」(グローリアセブ)

フィリピンの伝統的ギャンブル「闘鶏」(イメージ)

 日本とは異なり、葬儀に1週間以上かけることもフィリピン流。遺体安置所が長期にわたるため、多くの参列者が集うとても賑やかな場となります。そもそも、なぜそこまでの期間を要するのでしょうか?

「遺体を長期間安置するのは、日本に初七日や四十九日という風習があるのと同じ感覚です。フィリピンでは国民の8割がカトリック教徒なので、葬儀もカトリック様式で執り行われるのです。基本的にフィリピンは土葬なので、遺体を棺桶ごと墓に安置し花とロウソクを手向ける……というのがスタンダードですね」(グローリアセブ)

 他の理由としては、国を出て海外で働く人が多いことも関係しているそう。そうした人々が帰国し参列できるように……という計らいでもあるようです。フィリピン人にとって家族や親戚・友人との絆がいかに強固であり、大切にされているかが垣間見えます。

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 日本人からすると思わずギョッとしてしまう、葬式でのギャンブルやゲーム。その背景には「故人のために少しでも多くの人を集め、盛大に送り出してやろうではないか!」というフィリピンならではの人情が存在しているのかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)

遺体を1週間以上安置するのがフィリピン式(イメージ)

◆グローリアセブ

公式サイト

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