演劇祭では、「朗読とパーカッションの新世界『城の崎の先』」を上演。近年、パーカッショニストの佐藤正治氏と取り組んでいる「朗読とパーカッションの新世界」について、このように語った。
「(佐藤氏を紹介してくれた人に)『高瀬舟の朗読をパーカッションとともに(してほしい)』と言われたんだけれど、最初は『パーカッションの音に勝てないから無理だよ』と(断っていた)。でもやってみると、同じ“音”を聴いている感じがあって意外に良かったんです。そこから、全国でいろいろな作品を上演してきました」(原田さん)
演劇祭のフリンジプログラムへの応募は、佐藤氏の妻からの提案だったという。
作品を観た平田さんは、「原田さんの2時間の熱演はもちろんですが、佐藤さんのパーカッション、ミキサーの技術もすごい。ともすれば、パーカッションの音が朗読の説明になってしまうが、そこを微妙に避けて、BGMではない独立したパーカッションの“音”になっていた」と、感動をあらわに感想を述べた。
演劇祭について、原田さんはこのように振り返った。
「会場の金波楼も趣があって素晴らしかったし、豊岡の人にもいろいろご案内いただきました。魚もおいしいし、お湯もいい。マリンワールドに行ってアジも釣りましたよ。とにかく人が素晴らしい。素敵な3日間を過ごしました」(原田さん)
原田さんのコメントを受け、平田さんは、「豊岡の人たちには、1300年にわたって湯治客をもてなしてきた歴史があります。ほかから来た人々を歓迎するんですよね」と考察を述べた。
番組の最後、原田さんは若い人に向けて次のようなエールを送った。
「僕はいま、こうして“音”にこだわって活動を続けていますが、若い人に伝えたいのは、人生、とにかく熱中することをみつけてほしい(ということ)。熱中することが大事だよ」(原田さん)
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年11月21日放送回より
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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp
『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。