神戸の老舗ソースメーカー 3年熟成ウスターソースを“究極”化 震災30年を期に 若手の発想反映 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸の老舗ソースメーカー 3年熟成ウスターソースを“究極”化 震災30年を期に 若手の発想反映

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 神戸の老舗ソースメーカーが、来年の1月17日に、3年間の熟成を経て作った“究極のウスターソース”を数量限定で発売します。今回の商品に込めた思いなどを担当者に聞きました。

オリバーソース株式会社から販売される、3年熟成ウスターソース CLIMAX 『神々による進化』(画像提供:オリバーソース株式会社)

 このたび、「3年熟成ウスターソース CLIMAX『神々による進化』」(350グラム入り、税込み3240円)を発売するのは、1923年に創業し、今年で101年目を迎えている、オリバーソース株式会社(神戸市中央区港島南町)です。

 地元・神戸をはじめ多くの人々に愛されるソースを作り続けているオリバーソース。そんな同社も、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では本社社屋が全焼したり、工場半壊で4か月間操業不能に陥ったりするなど、甚大な被害を受けました。

 当時も、「クライマックスウスターソース」という商品を贈答用に生産していましたが、震災後に、アレルギーの表示制度が厳しくなったことなどから販売が困難に。

 それでも、商品開発をあきらめなかった同社。「危機的状況の中、「『ソースを熟成させたら味がまろやかになるのでは?』というアイデアが出ました。実際に試してみて、誕生したのが、CLIMAXプロジェクトの前身となる『クライマックス3年仕込みウスターソース』です」と話すのは、オリバーソース株式会社の津田朝徳さんです。

 その後、毎年1月17日にウスターソースを仕込み、3年間の熟成を経てボトリングされる「CLIMAXプロジェクト」を発足。そして、来年・2025年に震災発生から30年目を迎えるにあたって、同プロジェクトが完全リニューアルされることに。同社の道満龍彦取締役企画室長を中心に進められた企画は、“若者の発想”を多く取り入れながら、「『日本国内向けのウスターソースの“究極”を目指そう!』となり、今回の商品を製造することが決定しました」(津田さん)。

「3年熟成ウスターソース CLIMAX『神々による進化』」は、2022年に仕込みを開始。国産の野菜や果実を厳選し、特選丸大豆醤油(しょうゆ)や、静置発酵製法を使った米黒酢を一緒に熟成させることで、スパイスの芳醇な香りと、味の奥行きを楽しむことができ、「酸味もまろやかで、コクも深く、少し濃い味の仕上がり」という“究極のウスターソース”を実現。

 一方で、価格設定や消費者への思いの伝え方についても同社で議論を重ねてきたそうで、「ソース以外にも見た目やパッケージなど、すべてにこだわりました」(津田さん)。 “時間が作ってくれる味”、“自然の力が生み出したもの”であるということを消費者に伝えるため、『神々による進化』という名称になったとのことです。

ソースだけでなく、外見にもこだわった商品(画像提供:オリバーソース株式会社)

「ソース自体は“かけるもの”ですので、“受け皿”になるものがないと成り立ちません。あくまでも『きっかけ』として、料理をより華やかにしたいと考えています」と、“究極のウスターソース”への思いを語る津田さん。「高価ですが、究極を目指して製造したので、いろいろなものに“かけて”味わってほしい」と呼びかけていました。

 オリバーソース公式通販サイトでは11月8日から予約販売がスタート。限定3000セットの販売となっている「3年熟成ウスターソース CLIMAX『神々による進化』」。今後は海外販売も視野に検討を進めていくそうです。

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より
(2024年11月27日放送回)

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Clip (1) | ラジオ関西 | 2024/11/27/水 13:00-14:00

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